NATURAL THERAPIES OVERSEAS

●オーストラリアの自然療法 海外出張報告2011年秋●
2011年(嵯峨慈子)

~自然療法の大学とメルボルンのファンデーションハウスで働くセラピスト~

2011年の振り返り、そして2012年へ

新年あけましておめでとうございます。2012年、皆様はどんな年にしたいでしょうか?
また、どんな体験が待っているでしょうか?
皆様にとって素晴らしい年になるといいな、と頭に浮かべつつ、私の方からも、昨年から今年にかけてIMSIで行ってきた活動のご報告をしていきたいと思います。
まずは、昨年11月にIMSIの新プロジェクトTOUCH FOR WORLD International Week 2011(タッチ・フォー・ワールド・インターナショナルウィーク)が始動、11月に初運営を致しました。

2011年11月27日、世界自然療法シンポジウム
物販・展示ブースの様子

おかげさまでイベントは成功に終わり、スタッフ一同心地よい疲れと達成感を感じています。ご協力頂きました東京外国語大学関係者の方を始め、各企業・団体・個人の方々、卒業生の方々・在校生の皆様、本当にありがとうございました。心からお礼申し上げます。

改めてご存知のない方にここで簡単にこのイベントの趣旨をご紹介しますと、この"ウィーク"は自然療法をテーマに学校や団体の垣根を越えて「横のつながりをつくること」「自分自身の知識を広げること」を目的とした活動です。

IMSIは自然療法の国際学院ですが、私達もスクール業務をしながら、IMSIチームの特徴を生かして、もっと広い世界で何か役に立つことはないかな? と考えて、ひとつのプロジェクトをスタートしたのです。
IMSIチームの特徴――それは、自然療法をテーマにした国際交流です。

IMSIは常勤スタッフが5名という小規模校です。故に、ご存知の方もおいでになるかもしれませんが、スタッフは講座の担当だけでなく、教材の作成や在庫管理など日々の事務業務はもちろん、ウェブサイトの作成やデザインを行ったり、通訳や翻訳業務をしたり、広報や国際部として交渉したり、必要であれば経理的な業務もしたり・・・と一人何役もこなしながら日々活動をしています。

その中で、皆、共通してもっている感覚に
「世界の様子をもっと知りたい、体験したい、グローバルな視点で自然療法を考えていきたい」
ということがあります。

チームには、帰国子女でもともと国際感覚のあるスタッフ、私のように大人になってから貯金したお金で留学するなど、世界に出て体験することが好きなスタッフが集まっているのです。

私がイギリスから帰国してこのスクールに入ったのも、そんな世界的な感じ、がするというのも変ですが、OPENな感じを受けたからだと今になって思っています。

そんな私達を率いるディレクターの意思は、最もはっきりしています。

スクールというと、もっと豪華な施設にと、設備投資にお金をかけたり、都心にサロンを何店舗も持つというスタイルもあるでしょうが、IMSIの場合はアットホームな教室というのをそのままにしつつ、スクール運営で得た資金は、スタッフが海外に出張にでて情報を得てくる、そして、日本では珍しいような臨床経験を持つ、まだ日本に来たことのないプロを海外から招聘して、ディプロマコースやセミナー、ワークショップなどを提供し続けることで、スクールの特徴づけ、IMSI卒業生、在校生に還元するという仕組みをつくっています。

こうした方向性に基づき過去10年間、海外のプロや他の国の協会と交流を持ち、いろいろなコースやセミナーを実践してきました。
2010年には初の英国IFPA協会のカンファレンスを主催者として運営、経験したことで前進。

 

2010年10月、IFPAジャパン カンファレンスで講演するガブリエル・モージェイ氏

2011年からは、先ほどお話ししたTOUCH FOR WORLD International Weekという自然療法でつながるプロジェクトを始動し、11月に1週間という期間で行なわれ、海外からの専門家を4名お呼びして、それぞれにワークショップが行われ、約30の企業、団体、NPO法人の方にご賛同頂き、このプロジェクトのご協力、ご参加頂きました。

世界自然療法シンポジウム、パネルディスカッションの様子

このTOUCH FOR WORLD International Week 2011における私自身の役割は、企業の方と連絡をとったり、ご協力を伺う中で、シンポジウム来場者に楽しんでいただけるような企画などを行う・・・といったことがメインでした。

自然療法を伝える他のスクール、業者さんなど、一般的にみると、関係ないとか、ライバル企業なのでは? みたいな団体もあるのでしょうが、そのような方とも対話をもつことで素敵な出会いもありましたよ。

さらには、IMSI卒業生の方で、このイベントにご参加頂いた方からは、日頃の活動を伺ったり、中には
「今はセラピスト活動を離れているけれども・・・」
という方ともお会いしてお話したり。

こうしてスクールではない場所で、それぞれの方にお会いできただけでも、とても嬉しくなるものですね。

このプロジェクトを通して、日頃の講師活動、セラピスト活動から枠を越え、自然療法の普及について、いろいろな角度で学びが多い1年であったと同時に、人とのつながりを感じる、素晴らしい体験、新しい刺激もあった1年でもありました。

一方、初開催のイベントウィーク準備が進められる中、IMSIではすでに2012年に向けての準備が開始していたのです。

毎年、違う新しい海外の専門家を呼ぶことで、皆様にコンスタントに海外の臨床・症例、情報などを届けていくことテーマにしているIMSIですが、実はその裏で、毎回、ものすごい時間と労力、もちろんお金もかかっています。

他の企業の方から
「こんなに海外来日セミナーをしたら、全然お金もうからないでしょう?! すごい赤(字)ではないですか?」
「いやー。私もスクールしているから、よく分かりますよ。これをスタッフで運営をするなんて大変ですよね。人件費まで出せないですよね? スタッフのサービス残業?」
なんて言われたりすることもよくあり、まったく、その通りなので、

「ははは。頑張っています」
とお応えするしかないのですが・・・(笑)
とはいえ、
「効果は、最初は小さく目に見えてこなくとも、ひとつひとつ階段を上っていこう!」
と決めたIMSIチーム、次の年も続ける覚悟で、2012年以降も見据えて、活動を開始してきました。

ここから、その準備の様子を皆様にご報告に致しますね。

自然豊かな国、そして情報が少ない地域、オーストラリアに注目してみよう!

私が自然療法を学んだ主となる国はイギリスです。イギリスではアロマセラピーとリンパドレナージュを、また、自然療法ではなく、人材能力開発、教育の分野になりますが、アメリカでブレインジム(子供の成長・脳の開発プログラム)をそれぞれ学び、資格を取得し帰国しています。

IMSIのスタッフも含めるとどうかと言うと、アロマセラピーやリフレクソロジー、リンパドレナージュといった理論と手技はイギリスやデンマーク、オーストリア、スペインなどのヨーロッパや南アフリカで、エサレンやブレインジム、ロミロミなどをアメリカ(ハワイも含む)で、そして中医学を始めとした理論や手技をベトナム、インドネシア、タイなどのアジアで・・・といった国と繋がりがあり、各国の専門家と交流があります。

 そんな中で、今まであまり深く交流はなかったけれど、自然療法先進国の1つであるオセアニアに今回はフォーカスしていこうということになりました。

時は2011年の1月のスタッフ会議。
ディレクターから
「2012年以降のテーマは女性と子供に役立つような情報を!  担当は慈子ちゃん(私の名前)で、場所はオーストラリアがいいのでは?」
と声がかかりました。

彼女のアロマセラピストでもある親友が、最近までオーストラリアに住んでいたこともあり、ナチュロパスやフラワーエッセンス、ワイルドフラワーなどのこと、またオーストラリアでは不妊治療が進んでいて医師以外にも自然療法士が様々な形で関わっており、その効果と実績を求めてこの国を訪れる人が後を絶たないこと、でもそうした情報が日本にはまだまだ入っていないこと・・・IMSIでいつかなにかオーストラリアについて取り上げることができるのでは?? ・・・といったイメージが、彼女の頭にどうも以前からあったようです。

私にとってオーストラリアと言えば、夫婦でタスマニアを旅したこともあり、気に入った場所ではありましたが、それまでディレクターとこういった話をしたことはなく突然振って沸いたような話だったので、ちょっと驚きました。

さて、IMSIのディレクターのことは、今まであまり書いたスタッフはいませんが、時々でてくる名前「富田順子」に、どんな人なのかな?  と思っている卒業生も多かったようですので、ここで簡単に紹介してみましょう。

彼女はセラピストでも講師でもありません。中学・高校時代を英国で過ごし、そのときに一緒の学校で学んでいたのがIMSIの講師でもある五十嵐桂子先生。帰国後日本の大学に進み、在学中から通訳や翻訳の仕事をしていたそうですが、その後テレビ局やラジオ局での仕事を経て、現在に至っています。IMSI以外では西洋医学の美容クリニックの企画をする傍ら、自然療法とかエネルギーワークにも興味がある人で、このIMSIを長年、影で支えてきた人です。

ディレクションも、ありきたりの企画調整をするというよりは、人の特徴を踏まえて仕事の指示する人間です。時に人の特徴だけでなく、方位学や数字、星など伝統的、統計的なものをベースにした発言が混ざるものですかから、私達スタッフが驚くこともあります。

ちょっと驚いている私の横で、周りのスタッフに目を向けると、他のスタッフも
「いいねー。うんうん。」
と頷いています。

ということで、私も、そうだなーオーストラリアって、自然がとても多い国、フラワーエッセンスとかも盛んだし、どんなのがあるのかな? と興味が湧いてきました。

・・・ディレクターより
「テーマは、女性と子供。オーストラリアはIMSIではまだ未開拓のところなので、まずはリサーチを開始して、良さそうなところを探してみて下さい」
と言葉があり、私の仕事がスタートしました。

 

オーストラリア専門家のリサーチ

しかしながら・・・最初から悪戦苦闘に!

これは後々、オーストラリアを実際訪問して気付くことも多かったのですが、多民族国家と言うか、なんというか、より活躍している人が目立ちにくい国なのです。

今までのIMSIスタイルと言うと、ガブリエル・モージェイのように元恩師など、もともと縁があったり、何よりも、ヨーロッパは住んでいた人間も多いのでスタッフの「勘」も精度が高い。

またIFPAやリフレクソロジー協会のジャーナルをみれば、○○の会長とか、有名な人とか大御所が分かりやすくなっているのも特徴です。

準備勉強をする日々

ということで、まずは自然療法系の協会のサイトから認定校、講師の情報を得ようとしたのですが、全ての認定校が公平というか?「人探し」が上手くいかないのです。

協会自体も非常に民主的に活動されている様子、また、カンファレンスなどのスピーカーは場合によっては20人など、かなりの人数の名前がでてきます。

そこで現在日本語でどの程度、情報があるかWEB検索をしてみますと、「オーストラリア・自然療法」なんて検索にいれても、留学とかワーキングホリデーのサイトが上がってくるくらい。

こんなに情報が進んでいる時代なのに、
「日本にはオーストラリアの情報、全然、入ってきていないじゃないの!一体、どうなっているの?」
なんて思いました。

これに対して、イギリスだったら、例えばIFPAアロマセラピーの日本人留学生も多いくらいなので、たくさん情報が溢れています。

「うーん。これは、どうしようかな? 生きた感じの情報が欲しいな・・・」
と思っていたときに、ひとりの人が思い浮かんだのです。

「そうだ。まずは実際に現地に住む人に連絡をとってみよう」と。

 

オーストラリア シドニー在住の
ナチュロパス 前田アンヌさん

思い浮かんだその人は、2010年に日本初開催となったIFPAカンファレンスJAPANで全体講演を担当して下さったオーストラリア在住の"ナチュロパス"前田アンヌさんでした。

新宿で行われたカンファレンスにいらして下さったIMSI在校生、卒業生の方には、記憶に新しいと思います。

「オーストラリアの自然療法について、そして女性と子供をテーマに活躍している専門家を探している」
と連絡をとってみると、前田さんからお返事が来て、メールの交換が始まりました。

それから、いろいろと教えて頂くことになりました。

お話を伺ってみると、オーストラリアには「ナチュロパシー」と言う日本では聞きなれない自然療法のメソッドがあり、そのプロを「ナチュロパス」といい、多くの専門家が活躍しているとのこと。

また、女性と子供がテーマとすると、豪州ではNatural Fertility Management 自然懐妊といって、自然療法を用いながら、より自然なスタイルで、懐妊をサポート、そして妊娠後、出産後も継続してサポートするプラクティスがよく行われていて、普及率からも世界でも進んでいるとのことを知りました。

現地の方とのつながりを大切にしつつ、私自身は頂いた情報を整理しながらナチュロパスや、自然懐妊について自ら勉強しつつも、どのような人を訪問するのかをなどを考えながら準備を進めていきました。

この準備についてはまた後ほど触れたいと思いますが、最終的には、オーストラリアで活躍する専門家との素敵な出会いにつながることとなりました。

 

いざ、オーストラリアへ出発。

オーガニックや環境意識の高い国、オーストラリア。
自然療法を学ぶ皆様にも、きっと興味があって貴重な情報が眠っているはずです。

オーストラリアというお国柄か訪問先とも調整もギリギリにならないと動かないこともあって、出発直前にスケジュールが決定しました。

初めての交流なので、視野が少しでも広がるように訪問する場所や専門家の数を増やして幅をもたせようという試み、合計10人近い専門家を訪問するスケジュールを組みました。

お茶やお箸など日本からのお土産と、IMSI TIMESなどIMSIの活動がイメージできる資料、そして事前リサーチした訪問先の資料でスーツケースがすっかり埋まってしまいました(笑)

 

国内産、オーガニックのお茶や箸職人が作ったお箸

その他、もともと育児・家事に堪能な夫とはいえ、4歳の息子を残して2週間以上家を空けるのは初めての体験。
心配もありましたが、家族に応援されて、ありがたい気持ちとともに、頑張ってくるエネルギーが湧きあがるのも感じました。

 

何種類かのパンを作って、冷凍庫へ

オーガニックのアルガンオイルとオーガニックキャロブパウダー、キャラウェイシードで作ったパン、ハーブパンなど、しばし外出するので、不在中家族が食べられるよう色々なパンを作って冷凍庫にいれておきました。

 

旅の出発は、メルボルンから。到着後、そのまま自然療法専門の私立大学エンデバーカレッジへ

成田を夜出発。
早朝のシドニー空港について、カンタス航空にてメルボルン行きの国内線に乗り換え予定でした。

しかし、空港についてみると、メルボルン行きのフライトがキャンセルに。
ということで、予約を取り直して2時間後のフライトでメルボルン到着。

シドニーからカンタス航空でメルボルンへ

メルボルン空港から市内まではSKYBUSというバスがでていて、このバス(片道、豪16ドル)に乗ると、市内の中心地から滞在先のホテルまで無料の送迎サービスが受けられます。

 

メルボルン空港から市内まで便利なバスサービス SKYBUS

ホテルに着き、荷物をおいて、ペットボトルの水をクイッと飲み、急ぎ足で自然療法のカレッジ Endevour College of Natural Health に向かいました。

大学は市の中心部、エリザベス通り沿いにあります。
大学訪問の目的は、事前にコンタクトをとっていたアン先生とお会すること。

私が訪問した時期は、中間ホリディで授業はお休みでしたが、「スチューデントクリニック」は行っているとのことで、こちらのナチュロパシーの体験やクリニックの見学など、事前にアポイントをとっていました。

 

自然療法の大学 エンデバーカレッジ ナチュロパスになるまで

オーストラリアで自然療法というと事前リサーチでも分かりましたが、「ナチュロパシー」という学科が特に人気があります。
また、その専門家のナチュロパスの活躍度も大きいのです。

ナチュロパシーは、ハーバルメディスン、ニュートリション、フラワーレメディなどいくつかの自然療法を、それぞれのテーマだけでもプロフェッショナルを名乗れるくらいに深く勉強しつつ、かつ、それらを組み合わせて処方をするための知識と実践を学んでいく学問です。

ナチュロパシーの教育について、バチェラーコースを卒業すると、日本で言う大学卒業の意味、学位が与えられます。

期間はフルタイムで4~5年かかるというのが一般的で、学位ですので、各認定カレッジは国や州が管理する指定の時間やカリキュラム内容をカバーする必要があります。

その中には、薬学、ホリスティック学、西洋医学との関係など、細かく時間が設定されています。
各科目はWEBの中にも詳しくでていますが、何しろ、内容量がボリュームたっぷりです。

 

エンデバーカレッジはメルボルンの真ん中にあります

(詳細はこちらに、エンデバー大学ウェブサイト→http://www.endeavour.edu.au/

日本ではアロマセラピーやハーバルセラピーなどの自然療法で学位になっていることはありませんので、豪州の教育水準と、そのスタンダードに驚きます。

実際にアン先生に伺った話では、オーストラリアのナチュロパシー教育は世界からの評価が高く、イギリスやフランス、カナダから留学生もいるのだとか。
「えっ、ハーバルメディスンやフラワーエッセンスなどは、イギリスが発祥の地でなかったっけ?」
と驚きもしたのですが、この後、学校の中やクリニックを体験させてもらって、それもかなり納得することになるのです。

 

エンデバーカレッジの学生クリニック

一般公開されている人気のスチューデントカレッジ

このカレッジ併設のクリニックでのセッションは在学中の学生が行うものですが、これは一般の方も予約可能です。

とても人気があり、1週間で1,000人のクライアントが訪れるとのこと。

カレッジではナチュロパシー以外にも鍼、ニュートリション、ハーバルメディスン、ディープティシュー、リメディアルマッサージなどのボディワークなどを学ぶコースがあり、クリニックでは、それぞれのメニューが全て揃っています。

クリニックのエントランスに入ると、27の部屋番号が書かれていました。
アン先生に案内されて、お部屋を見学。各部屋はカーテンで区切るというものではなく、音が漏れないような独立したスペース、プライバシーの確保も意識されているつくりでした。

実はこれらの部屋は、ナチュロパシー、ハーバルメディスン、ボディワーク専用だそうで、鍼治療の学生クリニックは別の階にあるのよ! と聞いて、これまたビックリ。
広いのですね・・・。

次に、ディスペンサーのお部屋を見学。

エンデバーカレッジ内のディスペンサールーム

このお部屋には、ドライハーブ、ハーブティンクチャー、ハーブサプリメント、ニュートリションサプリメント、フラワーエッセンス、精油などなど、自然療法で使用するグッズが格納されているのです。

日本には輸入されていないような物もたくさんあって、私は、まるで宝の山を目の前にしたような感覚で、興奮気味になってしまいましたよ!

 

冷蔵庫の中にはベビー系のナチュラルメディスン

ベビーケア用のニュートリションサプリメントを冷蔵庫の中に見つけたり、メルボルン近郊で生産されるローカルのオーガニックハーブの瓶詰め、さらには、数十種類のハーブのティンクチャー(ハーブのエキスが抽出されたもの)まで。

このプロ用濃度のハーバルティンクチャーは、日本では手に入らないプロフェッショナルオンリーのもの。あまりの数の多さにスタッフが補充する時には、はしごがいるほどでした。

私が見学中には、学生の方がフラワーエッセンスのブレンドのためにこのお部屋に入ってきて、オーストラリアン・ブッシュフラワーのエッセンスをブレンドしていました。

クリニック施設とディスペンサーを見学したあと、ナチュロパシーの体験をすることになりました。

通常のナチュロパシーでは問診、視診、触診などの後、ライフスタイルについてのアドバイスと共に、ハーバルメディスン、ニュートリション、フラワーエッセンスなどの手法が混合、もしくは単一で複数処方されます。

今回の体験は、時間の限りもあり、通常よりも少ない時間で、デモンストレーション的に行われましたが、担当して下さった学生のステイシーさんは、丁寧に問診をしてくれました。

瞳の色をみるようなナチュロパシー的テストも体験。老廃物のたまり具合などが分かるそうです。問診の後、ステイシーさんはハーブなどが格納されているディスペンサーへ。

 

瞳を様子をみるナチュロパシー検査にトライ

本来、クライアントは同行しないのですが、私も一緒に動き、少し見学をしました。

ステイシーさんと共に一緒に担当して下さったのはアレックスさん。
カレッジの学生クリニックでは、必ずペアの学生で一人のクライアントにつく仕組みがあります。

 

ナチュロパシーを担当して下さったエンデバーカレッジの学生さん

1人が、実際のコンサルテーションを行いつつ、問診などで、もう1人の学生と確認しながらセッションを進めていきます。

そして、実際の処方の際には、カレッジの先生や専門のプロフェッショナルの方が、スーパーバイザーとして、アドバイスを行います。

スーパーバイザーは処方内容以外にも、問診のとり方、処方の考え方などの指導も行います。
1人のクライアントに学生2人と、先生一人が関わる仕組みということになります。

このようなシステムはエンデバーカレッジだけでなく、オーストラリアの自然療法のカレッジでは、少々の差はあるものの、同じようなクオリティが確保されているのだとか。
ディスペンサールームでの調整の後、セラピールームに一緒に戻り、プラクショナーからアドバイスをもらいます。

 

コンサルを終えて、アドバイスを受けます

今回は私の皮膚症状と女性ホルモンのサイクルの主訴に対して、肝臓や腎臓のデトックス、血糖の循環をテーマとした4種類のハーブが選ばれ、混合ティンクチャーが処方されました。

 

アドバイスシートとハーバルティンクチャー

また、同時に、食生活で行うなら、ブロッコリー、キャベツ、アーティチョークなどの優先して摂取することで、サポートできるというアドバイスを頂きました。

ナチュロパシーでは、ハーバルメディスンのほか、「Food as Medicine」というようなカリキュラムもあり、食べる物を自然療法としてとらえ、深く学んでいくそうです。

丁寧に手書きで書かれたアドバイスシート。

 

生徒さんが使用している  モダンハーバル  メディスンの分厚い本EBM(エビデンス  ベースド  メディスン)によるハーブと自然系のサプリメントの本。

 

カレッジ内においてあった教科書

どちらも本も分厚く数センチは厚みがある重たい本。
このほかにも沢山ありました。

 

ケーススタディに使用する書類は、こんなにいっぱい!

こちらの書類は、学生クリニックで必要とされる記録用紙。
種類の多さに驚きました。

初めてのナチュロパシー体験で、オーストラリアの自然療法に興味を注がれつつ、次はアン先生のご厚意で見学させて頂いた特別レッスンでの様子を書きたいと思います。

 

エンデバーカレッジのアン先生

エンデバーカレッジのアン先生

アン先生はご自身の勤務が終わるまでの間、私にクリニックやスーパーバイズの授業や学生面接など、ナチュロパシーのイメージがわくように、どんどん中にはいって見学できる配慮をしてくださいました。

事前に連絡を取り合ったメールでは、先生の時間はタイトとお聞きしていましたが、私の興味深々な様子をみてか? フレンドリーで仲間の1人のような対応をして下さったのです。
深い感謝です。

場所は、クリニック裏にあるミーティングルーム。
学生たちが集まって、スーパーバイザーからレクチャーを受けます。

私については、「ヨシコは日本の自然療法の学校で講師をしていて、今回はオーストラリアの自然療法についてリサーチしに来ているの。この学校にも来てくれたので、ちょっと、ここで一緒に参加するわね」と声をかけて下さいました。

 

ミーティングルームでのレクチャーに参加!

私の入ったレクチャーは、マタニティ、そして産後のママへトリートメントプランについての授業でした。

偶然にも、今回の出張のサブテーマでもある「女性や子供をテーマとした自然療法」にピッタリあうような内容。
ノートとペンを出しながら、スーパーバイザーの声、そして学生さんの様子をメモに取りました。

夕方17:30頃、すべての授業や仕事を終えた後、アン先生が
「もし他にも質問があったら何でもどうぞ!」
と声をかけて下さり、その後学校の中も案内して下さいました。

他の先生方はホリデイ期間、またエンデバーカレッジ内のカンファレンス(豪州内に数ヶ所学校があります)により、みなさん外出中ということで、ガランとしていましたが、数種類のスタッフルーム(職員室)、教室を見せて頂きました。

アン先生は週に4日間くらいカレッジで勤務し、ハーバルメディスン、ニュートリション、ナチュロパスになるためのいくつかの授業を担当しています。

また、ナチュロパシー科の外部講師などをまとめたりする役、学校内のカリキュラム管理など、授業以外の仕事もしています。

とてもフレンドリーな雰囲気をかもしだしている先生で、私が到着初日で疲れている様子をみてか
「ちょっとカフェでひと休みでもする? 疲れたでしょう」
とエンデバーカレッジ併設のオーガニックカフェにも連れて行って下さいました。

 

カレッジ内のカフェ――オーガニックのドリンクなどが楽しめます

メニューには、ローカルフード、オーガニックの原料で作ったマフィンやパン、ケーキなどの文字があります。

 

ダンデライオンのラテとローカルの原料でつくるパンやスィート

私はハーブティとリンゴとシナモン入ったパンをご馳走になり、アン先生はダンデラィオン(タンポポの根)のラテを飲まれていました。今回の豪州滞在では、このノンカフェインのダンデライオンのラテも大好きになった飲み物のひとつです。

 

カフェのお兄さんから、
とびきり美味しいチョコレートが!

カフェのお兄さんから、メルボルン地域で生産されるオーガニック・ロー(RAW)チョコレート、贅沢な生チョコのサービスも。
遠慮なく、大きなかたまりを2かけ頂きました。

カフェのとなりにはブックショップがあり、それとは別にカレッジ内にライブラリーもあります。

最後にアン先生の案内で学内を見学、ホリディ期間中で校内はガランとしていましたが、教室、そしてスタッフルームなども見学しました。

スタッフルームは、ナチュロパシー科、ホメオパシー科、アキュパンクチャー(鍼)科、アドミニストレーション(事務局)、インターナショナル学生科などそれぞれの科目に別れた講師ルーム、がありました。
講師の数からしても、勿論ソフトもそうですが、ハードの面でも、とても安心して勉強できそうな環境ですね。

アン先生からオーストラリアの自然療法について、たっぷりお話を伺った後、
「私も日本のことをいろいろと知りたい!」
とご希望を頂き、夕食のお誘いを受けました。

向かった先は、ベトナム人街のベトナム料理のレストラン。
メルボルンの案内を見た時に、「いいなー。この街行ってみたいな」と思っていたのですね。私は1人でご飯を食べるより、仲間がいた方が楽しいし、美味しいと考えるタイプ。
とても嬉しいお誘いで、即「もちろんYESです!」のお返事をしました。

レストランでは、家族の時間を大切にするといわれるオーストラリアらしく、旦那様も同席する夕食になりました。
実は、アン先生の旦那様は日本人の方、国際結婚をされたご夫妻は日本にだけでなく、パリに住んでいたこともあり、ドメスティックな感覚がゼロ。

私もロンドンに住んでいた時、いろいろな国の人と住んだり、働いたりしたことが楽しい思い出になっていて、どんどんお話が進みました。私が英語を使うのは5年ぶり。
前回はブレインジムの出張で出かけた2006年です。

ボディランゲージは元々大得意(!?)とはいえ、海外初日でしたので、言葉の表現で迷うこともあり、旦那様にサポート頂きました。

そうこうしながら、アン先生ご夫妻からエンデバーカレッジのこと、オーストラリアの自然療法のこと、私からは日本の法律やIMSIのことを話しながら、自然療法のミニ国際交流みたいな素敵な時間を過ごしました。

アットホームの雰囲気につつまれながら、私自身は新しく友人ができたような感覚で、嬉しい体験でした。
そして、お料理も驚くほど美味しく、ボリュームもたっぷり! 

 

アン先生とベトナム人街、人気のベトナム料理店で

巨大なベトナム風お好み焼きも!

お腹いっぱい食べて初日から、とても元気が出ました。
アン先生は将来的に家族で日本に滞在する予定もあるのだとか。とても素敵な出会いに、これから末永く、交流を続けていきましょうと声をかけあっています。

 

メルボルン ファンデーションハウス  トラウマケア

メルボルンにあるファンデーションハウス

この日はメルボルンにある難民支援を行うNGO組織、ファンデーションハウスを訪れました。この場所で自然療法・セラピストによってトラウマケアのサポートが行われているのです。

オーストラリアといえば、過去にイギリスの流刑地となったことや、ヨーロッパ、トルコやギリシャなどの国々、アジアからも、新天地の場所として、世界各国からの移民が多い国。

世界地図的な位置関係や、他の国と比べても、海外からの受け入れに対して、受容性が高いこともあり、自国での生活に苦難を感じる人たちが、難民として、数多くオーストラリアに入国している歴史があります。

現在では、諸所の問題があり、受けいれに慎重姿勢をとってはいるものの、英語圏の国では考えられないほどの数の人が流れつき、そして、それに対しての直接サポートをしている国でもあります。

さて、メルボルンのファンデーションハウスとは、どのようなところなのでしょう?
サイトをみると、

What is Foundation House?
The Victorian Foundation for Survivors of Torture (VFST), or 'Foundation House' as it is also known, provides a range of services to people from refugee backgrounds who have survived torture or war related trauma.
Foundation House provides direct services to clients in the form of counselling, advocacy, family support,group work, psycho-education, information sessions and complementary therapies. Direct services to clients are coupled with referral, training and education roles aimed at developing and strengthening the resources of various communities and service providers.
Foundation House provides services across Melbourne with offices in Brunswick and Dandenong. Services are also provided in a number of rural and regional centres across Victoria.
Foundation House is non-denominational, politically neutral and non-aligned.

と書かれています。

難民や、戦争や激しい苦難をしのいできた方のトラウマケア・サービスを行っている団体ですが、そのプログラムの核の中にコンプリメンタリーセラピー(補完療法)のメニューがあります。

詳しい情報はウエブサイト(http://www.foundationhouse.org.au/about/index.htm)で確認頂ければと思います。

オーストラリア訪問の2ヶ月前、メルボルンでの出張日程を考えているとき、先にご紹介した現地ナチュロパスの前田アンヌさんから、このファンデーションハウスで自然療法(ナチュロパシー)や、ボディマッサージをしているプロフェッショナルの人がいるとの情報が手に入りました。

また、過去の豪州ハーバルメディスン協会のカンファレンスで、そこでの活動を発表して注目を集めていたということを聞いて、連絡先を入手、コンタクトを取ってみたのです。

日本でも、東日本大震災に関連して、新聞やテレビ、専門家の間からもトラウマケアが必要と言われる状況の中で、「オーストラリアでのトラウマケアに対する自然療法ってどのように行われているのだろう?」という気持ちがありました。

コンタクトをとった方のお名前は ジェニー・アダムスさん(Jenny Adams)。
お返事では、「まだファンデーションハウスで働いている。その他、メルボルン市内の統合医療クリニック、自然療法の学校、エンデバーカレッジでのスーパーバイザーなどもしていて、忙しい毎日だけれど、それでもよければ・・・YOSHIKOにも会ってみたい。メルボルンでの空きスケジュールを教えてくださいね。」
とのことでした。

私もIMSIと自身の自己紹介、今回の出張の目的をシンプルな英語に直して、スケジュール予定を送り、ジェニーさんに見て頂きました。そして、運よく、ファンデーションハウスを訪ねつつ、ジェニーさんのお話も伺える機会を得たのです。

ファンデーションハウスまでは、メルボルンから、市営のバスに乗りって、中心部から20分の位置。
地図にあった停留所でおり、ファンデーションハウスに向かいます。
ところで、メルボルンのバスの停留所には、番号がついています。

 

バス停には番号が付いている 上に停留所は3番という意味

世界の、どこから来た人も、数字なら分かる、だから、自分がおりる停留所が誰でも分かる仕組み。
バスの中から、自分の降りたい停留所の名前の字が小さくて見えなくても、数字だけは、はっきりと見えるので、どこで降りたらよいか、ドキドキしなくていいわけです。乗り過ごしなどが、心配ないわけで、とても便利でした。

例えば、自分の降りたい停留所が23なら、20、21、22「さぁ次だ!」と心の準備ができるでしょう!?(笑)

さて、バス停をおりて、あまり標識がなく、人気もない静かなところでしたが、印刷したグーグルの地図で再確認。しばらくして、ホームページでみたロゴと同じものをみつけて、ホッとしました。夕方の4時半のお約束で、少し前に到着。エントランスに入ると、こぢんまりとしたロビーがありました。

 

来た人は自由に飲み物を飲むことができる

利用者の方がいらしたので、場所がら撮影は出来ませんでしたが、入口の横にセルフドリンクコーナーが置いてありました。
受付で、ジェニーさんとアポイントがあることを伝えると、少しして、彼女が迎えに来てくれました。

 

ナチュロパスでボディワーカーの
ジェニーアダムスさん

とても、優しい表情と柔らかな落ち着いた声の持ち主の方で、私もリラックス。

きっと、ここに来る方も、この雰囲気に安心感を持つのだろうな? という気がしました。
ジェニーさんに中を案内してもらいながら、最初にハーブやそのほかのトリートメントグッズが管理してあるスタッフルームなどを見学しました。

中には数多くのハーバルティンクチャー、トリートメントに使うオイルとエッセンシャルオイル。

エッセンシャルオイルは、エンデバーカレッジでもそうでしたが、メルボルンに研究機関を持つロン・グーバさんのエッセンシャルセラピューティクスのものが置いてあります。

地域で採れるオーガニックハーブもラベルがついて並んでいました。

ハーブティはよく利用されるとのこと。
それから隣のカウンセリングルームがあいていたので、中を見学。

落ち着いたオレンジ色のソファーがおいてあったり、中庭から植物が見えるような工夫がしてあります。

 

カウンセリングルームの一室 奥は緑がみえる中庭がある

その他、サイコセラピスト(心理療法)が主として使うお部屋や、カウンセラー、ヘルスプラクショナー、地域関係者の向けの専門教育を行ったりする会議室などもありました。

 

会議室研修室

この会議室からも緑が見える仕組みで、わざわざ、植えてあるのだそう。

廊下には、いろいろな機関、団体から表彰された賞状がかかっており、国連の難民救済組織から20年以上の長年の功績で表彰されたもので、日付は2011年になっています。

 

この団体に送られた表彰された賞状が数多く並ぶ

国連の組織から送られた賞状

続いて、トリートメントルームに案内され、広々としたスペースに、やはり、窓から緑が見えるようになっています。

セラピールームの一室

訪問した時間は夕方でしたが、自然光が十分で、とてもリラックスした環境を作り出していました。

私達は、このお部屋でお話をすることになりました。
ファンデーションハウス&ジェニーさんとの時間は、約1時間を予定していましたので、私自身、見学、お互いの自己紹介の後、お話伺える時間は、正味30分強の時間になるかな?  と想像、予めある程度の質問事項をまとめていました。

さてここで、ちょこっと裏話ですが、実はこの準備は、今回の出張準備の中で、大変だったことの一つです。

「自然療法をする人が、どのように関わっているのかを知りたいな」
と思ったのですが、まずは、お会いするにあたり、団体のことを知っておくことが大切と思い、リサーチし始めたところ、その、情報の多さゆえ、深みにはまり、脳細胞がおかしくなりました(苦笑)。

難民という、日本で身近な存在ではない言葉、下調べをする段階で、このようなトラウマケアを行政や地域にからめて、総合的に行っている組織が日本にはないこと、また、私自身も、トラウマケアの専門家ではないので、比較イメージがなく、どこまで準備すればよいか? 自分でも訳が分からなくなることも。

最終的には、このワークについて述べられた、PhD博士論文まで目を通している自分も・・・息子が寝た夜中に、ごそごそと、目をこすりながら・・・慣れない英語で、時間的にギブアップしたところも多かったのですが、印象に残ったのは、やはり、ケーススタディでした。

例えば、アフリカのタリバンから逃れてきた女性の話。家の中に男声の兵士が入ってきて、着ているものから持っているものまで、何から何まで奪っていく・・・監禁される・・・人間の生活とは思えない生活が続く・・・その中で、自分は逃れてきたが、妹は、まだ現地に残っていて、怖い、痛い、苦しいと連絡が来る度に、過去の記憶と、妹を案ずる気持ちで、心がはちきれそうになる。

まったく、眠れないし、身体のあちこちが痛くなる・・・そのようなトラウマを持った方が、ハーブやタッチセラピーを介して、どのような変化をしていくのか?

そんな、ストーリーが書かれています。
トラウマといっても、戦後、豊かな国に育った私には、とても考えられない世界で、想像するだけで、胸が痛く、呼吸が、あらくなりました。

・ ・・少し話がそれましたが、ジェニーさんとの時間に戻ります。
トリートメントルームで、ジェニーさんからは、ファンデーションハウスの年間報告書を頂き、コンプリメンタリーセラピーに関係のあるページを教えて頂きました。

機関誌の中にはナチュラルセラピーの活動を紹介している

ハーブのこと、トリートメントのこと、そして、ヨガの写真もありますが、ジェニーさんは、実はヨガの指導もします。こことは違う場所でも、長年マタニティヨガなどのセッションもしているとのこと。

さて、私からのインタビューですが、自分のメモを確認しつつ、ジェニーさんが、この活動を表現する中で、強調された部分をひろって、そこを聞くという風に、自然に流れました。

○ カウンセラーや心理専門家、そして、セラピストとの協力のしくみが、どのように作られていったのか?
○ 公の場でも表現している「ユニークなインテグレイティット(統合)システム」の意味
○ 実際に、強いトラウマを抱える人を迎えるにあたっての工夫

など、いろいろなお話を伺うことができました。ここでは、カウンセリングサービスに加えて、ハーブなどの処方、ボディマッサージなどのトリートメント、家庭でも使えるアロマセラピーオイルの処方などが、専属プラクティショナーから、無料で受けられるようになっています。

そして、数多くあるプログラムの中で、コンプリメンタリーセラピーが、トラウマケアの中でも非常に重要な役割をしていて、日本では、例にないようなモデルについて貴重なお話を伺うことができました。

 

セラピールームにジェニーさんと一緒に。タイマーで撮影

ジェニー先生、ありがとうございます。帰りは、近くのバス停まで、車で送っていただきました。

その夜は、シティセンターに移動、エンデバーカレッジのアン先生と、先生の友人でアキュパンクチャーの方との夕食を共にしました。

 

専門家同士の 「リファーラルシステム」

この日は、エンデバーカレッジのメルボルン校のアン先生とお会いして、夕食を一緒にとることになりました。

実は、前々日にホテルまでお電話くださって
「この間は、本当に充実した楽しい時間だった。ありがとう! その後の滞在はどう? 楽しんでる?」
と、声をかけてくださりつつ
「もしも、YOSHIKOが興味あるのだったら、私は今、学校外のクリニックでもクライアントをもっていて、最近はIVFサポート(体外受精のサポート)のナチュロパシーアドバイスもしている。そこでは、アキュパンクチャリスト(鍼師)と一緒に仕事をしているのだけど、彼女の話も聞いてみたい?」
と声をかけて下さったのです。

私にとっては、短期間の滞在ですし、現地の方に、いろいろとお話を伺えるチャンスがあるならば、どんどん吸収したい。このような嬉しいことはないわけで、「ぜひ!」とお願いしました。

アンさんに再会して、鍼師さんのいるクリニックの下まで移動。
クリニックは、メルボルン市内のど真ん中の一室でした。それから、3人でレストランへ。イタリアンレストランになりました。

 

アン先生とアキュパンクチャリストのジャシンタさん

お話を伺った方は、鍼師のジャシンタさん。

ジャシンタさんは、一般のクライアントも見ますが、Infertility(不妊)のクライアントも多く、関わって8年くらいのご経験があるとのこと。

アン先生とは別のクリニックですが、場所が近いこと、専門が違うが、信頼関係があるということで、同じクライアントをみたりという、お互いにリファー(紹介)し合っているとのこと。 IVFサポートについて、鍼師さんがどのような形で行っているか、また、どのような効果を実感されているかなどに、ついてお話を伺いました。

実際には、鍼師が行うIVFサポートでは、一般的なプロトコールがあり、それを基本にしつつ、クライアントのエネルギーレベルを観ながらホリスティックに治療しているとのことでした。 代替医療・自然療法のプロが関わるIVFサポートでは、担当医のドクターの治療スケジュールを考慮して、そのリズムを崩さないように、かつIVFトリートメントが、より最大の効果を発揮するように補完的に行われる仕組みがあるとのこと。

研究によると
○ 理想的には、移植の前後1日に、鍼を行い、生殖器に関わるエネルギーレベルを高める。
○  その1週間後までは、特定の筋肉の緊張がある場合には、解きほぐし、そして鎮静効果、エネルギーレベルで リラックスに導くことを意識する。
○ 着床が進み、妊娠が成立した際には、今度は、元気な赤ちゃんが生まれるまでの妊婦さんと胎児の健康をサポートされるようなプログラムに移行する
とのこと。

その他、IVFの準備プログラム、(ママの妊娠、治療に供えての身体作り、卵子を質のよいものに導く)などもあることを伺いました。

アン先生からのお話では、ナチュロパスの関わる時には、栄養や生活のアドバイス、ハーブの処方が行われるとのこと。

・・・いろいろとお話を伺っていると、チームアプローチ、ドクター、ナチュロパスとの間との、「リファーラル(紹介)」の話がよく出てきます。

また、出張準備をしている過程や、ファンデーションハウスのジェニー先生からのお話の中でも、インテグレーテッド(統合的)アプローチ、や専門家同士間の協力に関して「リファーラル」という言葉が、本当によく出てきていました。

私自身、実際にお話を伺っていくにつれて、この国には、ヘルスケアプロフェッショナル間のリファーラル(紹介)システムが、非常に浸透しているのだなぁと感じました。

そこで、どうして、このようなリファーラルのシステムが進んでいるのか? と伺ったところ、
「それは、当然のことよ! クライアントを私だけで抱えて、他の人に渡さないようなんて考えは好きではないし、チームで仕事をした方が、より総合的なアプローチができるもの。そして、特に不妊プログラムの男性のクライアントなどは、いくつかの専門家にチームでみてもらっていると思う方が、より信頼関係を築きやすく、安心し、より積極的に参加してくれる傾向にありますからね。」

「そして、もうひとつ大切なポイントだけど、やはり効果を出したい。自然療法も鍼も、そうだと思うけれど、西洋医学と違って、その人のエネルギーを高めるものだし、自然のペースに任せて改善していくものだから、効果がゆっくり、総合的にでてくるわよね。だけど、クライアントには、私達のすることの知識がないから、効果に対して、その速度や変化の質に気づきにくく、途中で、なんとなく諦めてしまうこともケースも多いの。でも、そこで2つ、2つ、別のアプローチが加わると、効果が出てくるのが、はっきりとクライアントに実感してもらえる。それは、私達にとって嬉しいことだし、仕事をしていて、楽しいと感じることだわ」

「効果を感じる・出すということは、クライアントのために、何よりも大切なことだし、それを続けているとことで、最終的には、私達それぞれのためにもなるのよ。仕事の評価にも繋がるわけだから」などとお話してくださいました。

 

イタリア料理店で貴重なお話を伺う

アン先生は、追加の情報で、「豪州では、教育の段階から、カリキュラムの中で、ドクターや他の専門家とのリファーラルの仕方、手紙の書き方、その意味を、勉強するようになっているのよ。これは国の指示で、そういうカリキュラムが組まれているのであって、私達のカレッジだけではないわよ」と教えてくださいました。

日本で、ここまで進むというのは、いつの日になるのかな? と感じるけれど、まずは、個人レベルでの変化で、このようなシステムの数が増えれば、理想的だな・・・と思いながら話を聞いていました。「リファーラル」という習慣。

それは、また、この後訪問した、シドニーでより強く、実感することになります。このリファーラルシステムが一般的なオーストラリアでは、ある特定の人だけに起こるのだけでなく、習慣的にさえなっているのです。

お別れする時に、アン先生には「今回は少しだけだったけれど、また、次に来たときには私の働くクリニックや、その他専門家など、いろいろ紹介するわね」と声をかけて頂きました。

アン先生、素敵な時間をコーディネートして頂きありがとうございました。また、お会いできる日を楽しみにしています。

 

まとめ

地域 メルボルン

訪問場所 
  • ENDEAVOUR COLLEGE OF NATURAL HEALTH エンデバーカレッジ オブ ナチュラルヘルス
  • Foundation House Melbourne

出会った専門家
  • Anne Howard先生
    ナチュロパシー、ハーバルメディスン、ニュートリション、シニアレクチャー
  • Jenny Adams先生
    ナチュロパシー、ハーバルメディスン、ボディワーク、ヨガティチャー

参考

オーストラリアの自然療法の特徴
  • 多くのコースは大学のカリキュラムになっていて、通常は学ぶ期間は2年生から4年生程度。コース終了時には学位が取得できる。
  • 上記コースはナチュロパシー、ハーバルメディスン、ニュートリション(栄養学)、ホメオパシー、アキュパンクチャー(鍼)などがある。
  • 大学は公立もあるが私立が多い。カリキュラムは国や州で定められた内容がカバーされる必要がある。
  • 学費は学位コースで300~500万円程度(日本円2012年1月現在)。
  • 各私立大学は学位コースの他、一般公開している1日だけのイントロダクションセミナー、ショートコースやディスタンスラーニングコースなどを設置している。

※ナチュロパシーについて
自然療法を組みあわせて処方、それぞれの療法の相乗効果を最大限に引き出すメッソッド。通常はハーバルメディスン、ニュートリション、ホメオパシーをメインとしながら、ボディワーク、フラワーエッセンスなどの組みわせで処方される。アメリカが発祥地であるが、本国では医者のみがナチュロパスになれるため、臨床人口は少ない。世界的に見ると、豪州のナチュロパシーは普及率が高く、そのほか、カナダなどでも行われる。

 

~自然療法の大学とメルボルンのファンデーションハウスで働くセラピスト~

ロン・グーバ(Ron Guba)さんに会いに。

メルボルン・セントラル駅からメトロにのって約1時間の電車の旅。
アロマティックメディスンのロン・グーバさんに会いに行きます。

メルボルン・セントラル駅からメトロにのって約1時間の電車の旅

ロンさんは、私がここで改めて言及するまでもなく大変有名なプロフェッショナル・アロマセラピスト。2007年には来日講演をされたことがありますので、名前もご存じの方も多いと思います。

その来日セミナーをされた際、通訳を務めたのが、IMSI国際部の絢子さんで、ロン先生からは非常に高い信頼を得た様子。私は「AYAKOの同僚です」ということで、アポイントもスムーズに今回お会いできる運びとなりました。

私の今回の出張目的であり、またIMSIのミッションの一つに、通常のスクールコースを運営だけでなく、世界の自然療法を日本に紹介するというのがあります。

その凝縮した活動にTOUCH FOR WORLD Internationa Weekがあることは、先のコラムで書きました。

今までIMSIでは、ヨーロッパの国々やアメリカ、アジアとの交流が多かったのですが、世界の別の地域にも目を向けていこうということになり、情報の少ないオーストラリアが浮かんだのでした。

オーストラリアと言えば、オーガニック普及率世界一とも言われ、環境や自然に対して独自の基準や考え方をもうけている国。
また、一般の人々の関心も、環境や自然に対して熱心に注がれているオーストラリアならではの自然療法に着目してみよう!となったのです。

そして、今回の出張では、将来に向けて、国際交流の種まきを基本としながら、数多くの自然療法の専門家にお会いすることになりました。とても丁寧でフレンドリーなロン先生は、私が迷わないように事前のメールでご自身の顔写真と電車の時刻表を添付して下さったのですが、さらに、私の乗るべき電車に赤で、○印をつけてくれました!

 

ロン先生

ロン先生は名が知れた方なので、私が顔を知らないわけない話なのですが、お陰さまで、私は全く迷うことなく、目的駅に到着。車で駅まで迎えに来て下さり、ロン先生のオフィスに向かいました。

オフィスの門を入ると、事業紹介をするパネルと共に免状がズラリと壁に並んでいました。オーストラリアで、自然療法のプロダクトを製造・販売するには、大変厳しい法規あり、数多くのテストや証明、ドキュメントが必要なのだそうです。

また、いくつかの植物由来のもの(精油も含む)でかつ、治療効果が高いものはセラピューティック・グレイド(治療用)のものとして、「TGA」という国、行政が管理する制度のもと、検査、確認をとり、リストにのせることもできることも可能です。

そういえば、ジャスミンアロマティークの中村あづさAnnellsさんも、「オーストラリアといえば、世界の中でも、自然療法グッズ、化粧品などでも特に厳しい基準があり、ドキュメントも、驚くほど沢山あるのだ」と言っていたことを思い出しました。

ロン先生は、ホリスティックセラピーの技術者としてのバックグランドを持ちながら、香りの世界に魅力を感じ、サンフランシスコに住んでいた時にアロマセラピーに出会います。

その後、奥様の生まれ故郷、オーストラリアのビクトリア州、メルボルンに移住され、縁があって、アロマセラピーで著名なドクター・ペノエル氏から直接フィトアロマセラピーを学ばれ、精油をセラピューティックに活用するメッソッドを追求し始めました。

今から20年以上前に、精油の会社を設立され、アロマセラピーやそれに関わる基材、商品の輸入・生産・販売と同時に、精油のリサーチと臨床を続けています。

また、すでに豪州でスタンダードになっていたハーバルメディスンと同じように精油を扱う手法を、アロマティックメディスンとして提唱し、その効能を伝える活動と共に、オーストラリア国内だけでなく、世界各地でもセミナーが行われています。

最初にオフィスのエントランスに案内されます。 植物のプランテーションから精油ができ、販売されるまでの過程を、壁にはってあるライセンスに目を通しながら分かりやすく紹介してくれました。

実は、このシーンは、ビデオにもとってあるのですが、ご自身でお話された後
「はい。では、ここでカットー!」
と、ニッコリして、声をかけ、笑わせてくれたりしたのですよ。

私も、お会いしたばかりですし、お仕事でもあるので、ちょっと緊張していたかもしれません。ホッとした瞬間でした。

ロン先生は近年のハーバルメディスン協会のカンファレンスや、他国でもセミナーを開催するなどスピーカーや講師としての顔もありますが、彼の日頃の姿は、毎日、オフィス、検査室、工場などを行き来しながら、実に、様々な角度から精油と向き合っている専門家であり研究者でもあります。

この日は、朝から夕方までお世話になったのですが、すっかり、ロン先生ワールドの奥深さに引き込まれた1日となりました。少しずつご紹介していきますね。

まず、最初に
「ファクトリーを紹介しよう!」
と、オフィスの斜めにある工場に案内されました。

ここは商品化される前の原料、精油などが置いてある倉庫です。 働くスタッフの方の行動をみていると、何やらグリーンのシールをドラム缶に貼っています。 シールには「アクセプト」と書いてあり、このシールは、隣の棟にある試験検査棟でチェックをうけて、合格したものだけに貼られます。

もしも、品質や成分に問題があった場合は、「リジェクト」ということになり、生産者に返品したりする仕組みがあります。 いくつものドラム缶が並んでいて、タグにある名前をみるといろいろなエッセンシャルオイルが、その数の多さだけでも圧倒されました。

その後、隣にある検査棟へ移動しました。 中に入ると、スタッフの机が全部で10台くらい、そして、いろいろな検査分析器がありました。
質量計測器、PHを測ったりする機械。 沸点、圧力というような空輸の条件に適しているかを調べるものまで。 9.11テロの後は特に、空輸での条件が厳しくなったとか。

そして、IFPAなど、プロのアロマセラピストの人ならば、その名前は必ずしも聞いたことがある検査分析機、ガスクロマトグラフィーの検査機もおいてありました。

成分などを検出でき、精油の質をチェックするのに欠かせないものです。私も実物を見るのは初めてで、中の仕組みが書かれている本などをみかけますが、一体、外見はどんなものなのでしょうと思っていたのですね。

その他、精油の成分別の屈折率をみるものなど、たくさんの機器がおいてありました。
この検査棟では、
1)人の嗅覚、視覚など五感を使ったチェック
2)検査分析機による、科学的な成分分析、数値のチェック
が行われます。

検査棟のリーダーの方に、ロン先生が「前回、チェック(返品)がはいったのはいつ?」と聞くと「1週間前ですね」という返事が返ってきました。

ロン先生によると、「例えば、インドネシアの生産者。いつもはオーガニックの品質の良いものを送ってきてくれる所も、突然、合成成分を混ぜたりしてくることもあるんだよ。『どうしたの』って理由を聞くと、『山火事があって、うまく生産できなかったんだ。すみません。』というようなこともある。気の毒な話だけれど、こんなこともあるんだ。
でも精油をアロマティックメディスンとして扱うものとしては、このようなものを出すわけにはいかないよね。だから、過去との取引で、最初に、いい精油だったからといって、それをずっと信じて、そのまま取引ということはせず、必ず、どの生産物もこうして、毎回、毎回、人の感覚と、いくつもの検査機器でもって分析・管理しているんだ。
僕がこの会社作ったのも、アロマティックメディスンで使う精油は、しっかりと自分の目で確かめたい。でも、当時は、そういうことをしてくれる人がいなかったから、自分で始めたんだよ。
それから、ここでは、合成物質の混入だけでなく、その、ひとつひとつの精油がどのような成分配分か? など、香りの程度や質の善し悪しなんかも見ていく、それが、このチームの仕事になっているんだよ」
という話をしてくれました。

その他、植物由来の保存剤に対する効果の測定などもしていて、ブドウ球菌でチェックした保存結果なども冷凍庫の中から見せてくれました。

ロン先生というと、過去のセミナーに参加された方は感じたかと思いますが、日本のアロマセラピーの手法では、珍しいメソッドで臨床を行う方です。

その珍しさから、化学的というよりも、奇抜なスタイルということが印象に残こった方もいると思うのですが、ここに実際に足を運び、ロン先生にお会いしてみると、いかに先生が精油の化学的分析やリサーチなどを意識しているかを、知ることになりました。ロン先生に、ますます興味を深めながら、ガイドツアーは次の場所へと進みました。

 

アロマセラピー 精油、基材など

続いて、道を挟んでお隣の棟へ移動。精油や基材、商品などがあるファクトリー直営のショップです。中に入ると、精油や植物油がずらりと並んでいます。

オーガニックのベジタブルオイル、芳香蒸留水はローズ、ネロリだけでなく、いろいろな種類がいっぱい、フランキンセンスなどもあります。ミルラのティンクチャーや、手作り化粧品に使用する植物由来の保存料としての基材もあります。

このショップには、数多くのアロマティックメディスンが可能な精油がおいてあるだけでなく、キャリアオイル、シャンプー、洗剤、みつろう、シアバター、カカオバター、そしてオーガニック化粧品などにも使われる保存剤の基材など。

奥のスペースでは、かわいらしい工房風アトリエになっていて、どのようにしてオーガニックや野生種、そして植物由来の物質を使って、スキンケアグッズを手作りしていくのか? というような実技コースが行われる場所になっています。

参加される方は、一般の方用から、プロの方が行うアドバンスセミナーまで、ナチュラルコスメティックを作りたい人に、とても人気なのだそうです。

また、このショップは工場価格での提供をしています。
日本は多くを輸入に頼っていることもあって、とにかく、高級品ですよね。
日本のアロマセラピストの方やナチュラルスキンケア大好きな方には、よだれが出そうな場所なんですよ!
私も、よだれを引っ込めるようにして、ショッピングにはまらない様に我慢(笑!)

ひと通りのガイドツアーが終了し、お昼が近くなったので、近くのイタリアンレストランで一緒にランチをしました。 ランチタイムでは、カンファレンスのお話、ロン先生のお話、そして、遥々日本から来た私へ質問が続きました。

オーストラリアで始めて行くイタリア料理レストラン、タップリ具がのったベジタリアンピザで美味しかったのですが、メモをとりながら、真剣に聞いていたので、写真を撮り忘れました・・・。

ロン先生はサラダとカラマリを食していましたが、コーヒーはお飲みにならないのです。
「いつだったか、コーヒーを飲むと覚醒しすぎてね、あんまり合わないことに気がついたんだ」
とニコニコしながらお話されていました。

ランチタイムのお話の中で特に興味をもったお話。
それは、2012年の2月から、オーストラリアのクイーンズランド州の大学で、学位をとるためのカリキュラムの中にアロマティックメディスンも入ることとなり、その内容をロン先生が作成中だとか。

リサーチベースやリファンレスの活用が重要とされるオーストラリアの自然療法教育システムの中に入るということで、しっかりとしたガイドラインがでることが想像されます。

「あー!そのカリキュラム、そっくりそのまま見てみたい!」 
今後がとても楽しみになりました。

その後、オフィスに戻り、将来日本でのセミナーのトピックについてお話を進めました。
まずは、最近の活動の様子や、2007年以降行っているセミナーやカンファレンスでのトピックについて話を伺うと、
「あー。いいのがある! ちょっと待ってね」
と言って、自分のデスクに向かいました。それからすぐに、資料をもって戻ってきました。

ホチキス止めされた資料には、過去のカンファレンスやセミナーで行ったことのあるテーマとその内容がまとめられています。
何枚にもわたっていて、(こんなに数多くのレクチャーしていたなんて!?)とビックリしました。

ざっと見るところによると、アロマティックメディスンの基礎から応用、免疫系、消化器系、皮膚系、循環器系など各システム別の症例とアロマセラピーの臨床について、子供から高齢者まで臨床、また精油の検査研究機関として特徴的な、二酸化炭素抽出や、抗酸化作用など効能についてのトピック、キャリアやベースオイルについて、また先に紹介したナチュラルコスメティックの実験的セミナーのようなものまで、びっしり。

忙しい毎日ですが、先生ご自身で「ランチタイム アロマリサーチ」といってランチの時間も、文献探しやリサーチ作業に力を注いでいるのだとか。 日頃のランチタイムは奥様手作りの野菜たっぷりのお弁当を食べることが多いのだそうですよ。その流れで奥様の話になりました。

私の名刺をみて
「へぇー、ヨシコはキネシオロジーとかブレインジムのインストラクターもしているの? 僕の奥さんは、大昔のことだけど、豪州でキネシオロジーをはじめた初期のころの人だよ」
とお話して下さいました。

プライベートライフでは、仕事とのOFFを意識するリラックスする時間をとっていらっしゃいます。
メディテーションや地元のマーケットに足を運んだりしています。

いろいろなお話を伺っていると、あっという間に夕方近くに。
お別れの時も、行きと同じように、しっかり電車の時間を調べてくださって、最寄り駅まで送って頂きました。

ロン先生のお話、見ても聞いても、大変興味深いことばかり!
先生のお仕事の様子を、日本でアロマセラピーをしている方に、是非お伝えしたい!勉強会をしたい!と心のそこから感じました。

ロン先生、大変貴重な時間を頂き、ありがとうございました。
次回、お会いできる日をとっても楽しみにしています。

 
訪問地域: メルボルン

出会った専門家:Ron Guba 先生

アロマティックメディスンを提唱する。豪州の厳しい製品管理の基準をカバーするだけでなく、アロマティックメディスンで使用する精油の成分分析、安全性からメッソドまで実践、指導。国内外での招致講演、セミナーを経験している。

メルボルン名物 クイーン ヴィクトリア マーケット

クイーン・ビクトリア・マーケットのオーガニックコーナー

メルボルンでの滞在についてですが ここで、少々、おまけの情報をお伝えします。メルボルンには、とても有名なマーケットが市の中心部にあります。

その名は「クイーン・ビクトリア・マーケット」。この中に、オーガニックコーナーもあると聞いたので、中を覗きに行きました。自然療法をしていると、自然に考えること。

それは、毎日、口にするもの食に対しても、自然のエネルギーが、「ぎゅーっと」つまった食べ物を食べたい! 食べられたら幸せ! というシンプルな感情。

それが、たくさん見られるマーケットは大好きな場所なのです。マーケットに入り、オーガニックの文字を見つけて、ワクワク、ドキドキ。色とりどりの野菜が並び、フルーツやパンもたくさん!

 

色とりどりの野菜やフルーツ

オーガニックのりんご、皮ごと食べたいのですよね。
農薬のシャワーを浴びていないかと思うと、見ているだけで、元気がでます!
葉物の野菜もありますし、ナチュロパシー体験で、私に必要と言われた、アーティチョークを発見しました。

 

私に必要と言われた、アーティチョークを発見!

すぐ隣のコーナーには、メルボルンをベースとしたローカルのオーガニックブランド、LOVING EARTHのブースが。
オーガニック生チョコレートが6種類くらい並んでいます。

 

サワーチェリーを試食したのですが、もう、これが、すごーく美味しくて、でも、とっても小さいサイズで4.5ドル。
血糖値の上昇も砂糖の2分の1と言われるアガベシロップのみで甘味をだしています。

生(ロウ)チョコは、通常の“コンベンショナル(有機食品でなく、一般の農薬、化学肥料を使って生産される)”の2倍の抗酸化力があるといわれる種類のカカオを使っていると書いてあります。

(うーん・・・欲しい・・・でも、ちょっと高いなぁ・・・)
ところで、オーストラリアは、とにかく物価が高いのです。
オーガニックで品質地の良いものは、やはり高級なのです。

実はこのチョコレート、このときは買わなかったのですが、なんとなく、メルボルンを出発する前に、「もしかして、シドニーにはないかも」と思い、ヘルスフードショップに駆け込んで、買いました(笑)。

このときは、オーガニックケール&ロウカシューナッツがまぶしてある野菜チップスを買いました。

 

その他、別のエリアではオーガニックリキュールやたまご、マメや穀類のなどの食料品、日用品などのコーナーもありました。
ブログではオーガニックコーナーではありませんが、巨大マーケットの一部をご紹介しています。

お肉ショップもたくさんあり、カンガルーのお肉を売っているお店も。魚も豪快にもってあります。それぞれのジャンルで10~20店ぐらいのお店が連なっているので、歩いていても迷子になりそうな感じでした。

このマーケットは市の中心にあるので、観光客が多いマーケットでもありますが、地元の人にも人気で、食料品を仕入れにいくとのこと。メルボルンの人の自慢でもあるようです。

短い時間でしたが、人、色、物、匂いなど、いろいろな刺激を受けながらマーケットめぐりを楽しみました。
もっと長く市内にいたら、ここに通いつめるのだろなと思いつつ。

 

CERES Community Environment Parkへ

メルボルンにある複合施設 CERES

 

先に紹介したクイーン・ビクトリア・マーケットの後、メルボルンのブランズウィックにあるCERESに向かいました。

CERESはメルボルンにあるオーガニックファーム、マーケット、カフェ、レストランなどのある複合施設で、小学校での環境教育、子供達の自然教育など、地域社会と協力しながら環境教育なども行う団体です。

日本でもオーガニックファームは数多いけれど、環境教育とリンクさせて行っている団体などは、あまり見かけないですよね。
オーストラリアの環境に対する教育は世界的に有名だそうですが、その中でもこのCERESは、注目を集めている団体です。

私が訪れた日はマーケットとショップのみがやっていましたが、子供のお料理教室や、キッズも含めて様々なプログラムがあります。
入口にあるビジターセンターでは、プログラムやイベント、地域社会での取り組みなどの情報収集ができるようになっています。サイトはこちらです(http://www.ceres.org.au/

それから、ガーデンに向かいます。サインに従って奥へと進むと、最初に苗が沢山置いてあるコーナーを発見。

こちらにあるのはオーガニックのものばかり。
子供でも大人でも分かりやすいように、苗にはお花の写真がついているのです。

 

息子が側にいたら「ママ! あっ、このお花欲しい!」といって、苗選びだけでも盛り上がりそうだな? などと思いながら、散策。
イチゴの写真もあります。
こちらも子供が大喜びで、育てるモチベーションが上がりそう!

少し歩くと、オーストラリアに育つ植物、その中でも食せる物「ブッシュフード」のコーナーも。
マカデミアンナッツの木もありましたよ。

 

続いて、併設ショップの中へ。
ワゴンに小さな黄色い袋が見えましたが、近づいてみてみると、全部、種でした。

 

でも、良く見るとトマトばかり。
トマトの種が、こんなにいっぱいあるなんて驚きます。

 

写真つきなので、初心者にも優しいパッケージ。
その他、にんじん、ねぎなど、とにかく沢山で、手作りマッシュルームキットやたくさんのガーデニングの本がおいてありました。

ハーブやお花、お野菜や果物など、たくさん見ることができて、それだけで、元気がでて、とても新鮮な気分に?! というか、自分自身もフレッシュになった気がするのは、私だけでしょうか?

マーケットの片隅に、鶏がたくさん飼われていて、私と同じように、柵をかじるようにして、覗いている2、3歳の子供がいましたよ。

 

子供とともに、家族で、オーガニックやガーデニングに触れながら、楽しくエコロジー教育できるなんて、素敵ですね。

この日、マーケットでは、ケールやトマト、アーティチョーク、緑色のお野菜などを仕入れました。
最後にマーケットの中にあるカフェで、タンポポの根(ダンディライオン)のソイラテを頂きました。

ちなみに、敷地内には、オーガニックカフェレストランもあります。
最初はここで味を試したいな? とも思っていたのですが、ちょっと気になる情報があり、別の場所でランチをとることにしました。

 

トルコ料理&メルボルン郊外のラベンダーファームへ 

ンチタイム、トルコ料理のお店にて

メルボルン滞在時には、現地にお住まいの森本夫妻にお世話になりました。

森本さんとは、昨年のIFPAのメインスピーカーのお一人だった前田アンヌさんから
「今度、私の友人の慈子さんが、お仕事でメルボルンに行くから」
と、ご紹介頂いたことで、つながりを頂きました。

森本さんは、薬剤師さんで、自然療法系の人でも名前を知っていることが多い病院、亀田病院で長くお仕事されていたご経験もあります。
ご自身は先にご紹介したエンデバーカレッジの卒業生でもありますが、現在、メルボルンでは主としてクリニックに勤務し、医療翻訳のお仕事をしていらっしゃいます。

出張出発前に、森本さんから
「今はナチュロパシーの仕事はしていませんが、せっかくのメルボルンの滞在ですし、お時間がありましたら、是非、ご興味のあるところにご案内しますよ」
とのお声がけを頂いたのです。

とてもありがたいお言葉に、感謝の気持ちで、すっかり甘えることになりました。
ということで、先に紹介したビクトリア・マーケット、CERESとご案内くださったのです。

実はマーケットへの行く車の中で、旦那様から、レバノン人や、トルコ人が多い地域があるという言葉を聞いていたことを思い出し
「もしや、レバニーズかターキッシュのレストランはあるのですか?」と伺うと
「うん。ありますよ」とのお返事。
「えー。そんな貴重なことが。それならば、そこに行きたいです!」と話しました。

オーガニックや自然療法の話をしていたばかりなので、旦那様も、私のこの急変というか、勢いに驚かれたかもしれないのですが、
「なかなか日本には、このジャンルのレストランで、勢いのあるのがないのですよ。人種るつぼのメルボルンならでは!是非、行ってみたいです」
といような、分かるか?分からないかのような理由をお話してみると、にっこり笑って連れて行って下さったのです。

さて、お料理ですが、地域がら、昨年行ったギリシャ料理にも味が似ています。

 

大好きなお料理をタップリ食べました

イギリス留学時代も良く食べたのですが、レモンやガーリック、ハーブやヨーグルトなどをタップリ使った野菜や豆料理があって大好きなのです。でも、日本では、レストランによっては

「ちょっと、あなた、生クリームを混ぜたでしょ!!! ダメっっ」と言いたくなるところや、味は良いものの、あまりにも小さくてビックリ! なんていうことも。

すみません。ちょっと力がこもってしまいました。

 

幸せ気分になりました!

大好きなお料理を、タップリ食べながら「そうそう、これよ!」と、幸せ気分タップリになりました。

その後、森本さんご夫妻のご提案&ご好意で「田舎の景色もみたらいいのでは?」と、ラベンダーファームがあり、温泉が湧き出る小さなリゾートタウンへもご案内下さいました。

 

ラベンダーファームにて

ラベンダーの時期ではありませんでしたが、とにかく、驚くほど空気がフレッシュな感じ。
メルボルン市内でも東京都比べると、明らかに空気がいいなと感じましたが、ここは更に、肺の中までキレイになる感じ。

嬉しくて、何度も大きな深呼吸をしました。ラベンダーの時期ではありませんでしたが、ガーデンを散策し、ファームの中のカフェに入りました。
ラベンダー入りの手作りジャムなどもあります。
ちょっと写真が暗いですが、スイーツも。

 

グルテンフリーのオレンジアーモンドケーキも気になりましたが、ラベンダー入りのジャムとスコーンを頂きました。

 

併設のショップも見学したところ、少し古い新聞ですが、アロマセラピーが妊産婦ケアに役立つことが書かれていました。

 

ショップ内で見かけたアロマセラピーによる妊産婦ケアについて書かれた新聞

その後、このファームを後にし、温泉が湧き出る場所を見学し、メルボルン市内へと戻りました。
森本夫妻は「もし、よかったら?」とお家へ招待して下さいました。
マーケットで購入したオーガニック野菜を使ったパスタと、CERESマーケットからのオーガニック・ホールミール(全粒紛)ブレッド。

 

オーガニック全粒粉ブレッド & オーガニック野菜を使ったパスタそしてミントレモンドリンク

ご夫妻がお庭で育てるミントとレモンを使ったドリンクとともに頂きました。

この日1日、奥様の聡子様から、オーストラリアで多い健康問題や、人々の生活、習慣など、本当にいろいろなオーストラリアのお話を教えて頂きました。

また、旦那様は小学校の教頭先生でいらっしゃることもあって、いろいろな質問を。子供達の話や、教育制度の話、近年各国で話題に上がるADHDや自閉症、アレルギーの話など、大変興味深いお話を伺うことができました。

丸1日、驚くほど充実して、こんな素敵な時間を過ごしていいのかしら?と思えるほど、感激の一日でした。

 

自然をタップリ満喫でき、素敵な時間を過ごせました

マーケットやオーガニック教育の施設見学、カントリーサイドへのドライブなど、自然をタップリ満喫する時間。色や香りなど視覚や嗅覚など、いろいろな感覚を刺激され、幸せです。素敵な時間を過ごしました。

ありがとうございました!

 

~ナチュロパスのクリニック IN シドニー~

シドニーへ移動

2011年9月28日、メルボルンからシドニーへ移動する当日の朝は、先に紹介したエンデバーカレッジに立ち寄ってから空港に向かう予定にしていましたが、カンタス航空のストライキと豪州のスクールホリデーが重なっていたこともあり、朝からテレビでは空港の混雑を報告するニュースが流れっぱなしでした。

それを見て少々不安になり、予定より早めに空港へ向かうよう変更。しかし、こういう時に限って幸いに何も起こらないものですね。メルボルン空港は意外に空いていました。

時間が余ったので息子へのお土産探しをしながら、お店をグルグルと歩き、カンガルーの絵が描かれた帽子を買いました。

 

シドニー空港に到着

フライトは無事に定刻の出発、予定通りシドニー空港に到着しました。
シドニー空港には、今回の出張で大変お世話になったシドニー在住の‘ナチュロパス’前田アンヌさんが迎えに来て下さっていました。

 

前田アンヌさん

前田アンヌさんは前回のコラムでもご紹介しました通り、2010年のIFPAのアロマセラピーカンファレンス JAPAN でスピーカーをして頂いた方です。

今回のシドニー滞在において、取材の時の撮影や検査機関へのリファーラル(紹介)をお願いしていましたが、最終的にアンヌさんの家にお世話になることになったのです。

実は今回の出張のために購入したパソコンが出張中に、まさかの故障!! 数多くの方と面会予定があるのに困っていたのですが、アンヌさんのおかげで救われました。アンヌさんとは5ヶ月ぶりの再会です。

 

セントラル駅

2人で空港から電車に乗ってセントラル駅へ。そこから、バスに乗り換えて20分くらいのグリーブ村へ移動しました。

 

バスに乗り換えました

グリーブは、シドニーシティの西側、湾がいりくんでいるので、シティーがよく見える位置にあります。

 

グリーブ

家に到着してみると、なんと、アンヌさんから、私のために特別にご用意頂いたスイミングのマグカップがあったのです(涙)!
ちなみに私の学生時代は、1年に300日以上プールで泳いでいた競泳アスリートです。

 

アンヌさんからのウエルカムマグカップとチョコレート

そのマグカップでオーストラリア産のハーブティを、そしてウエルカムチョコレートも頂いたのですよ。

アンヌさんがどんなに温かい方か、こうしたエピソードひとつとってもよくわかり、旅先・・・それも旅行ではなく出張先ということも相まって、ほろりと感激してしまいました。

温かいおもてなしでひと息ついた後は、グリーブ村の見学にでかけました。

翌日からは忙しくなるので、それに備えての予習やナチュラルセラピーの専門店、ライブラリーなどを見学しました。

 

お店の他、ナチュロパス(自然療法士が常駐するクリニック・スパ)も奥の方にありました

ナチュロパスが常駐するショップ、クリニックやスパもあり、小さなストリートだけれども、寄り道も楽しいのです。

ところで、アンヌさんはコーヒー豆、豆乳の種類、ケーキなどもナチュロパスらしい視点で見ています。

実は、この後、毎日カフェを利用することになるのですが、オーガニックやフェアトレード、グルテンフリースィーツなど自然・健康を意識したものを頂く素敵な時間を過ごすことになるのです。

 

私達がひと休みしたカフェでは、カメラやビデオの撮影の打ち合わせなども行い、その後は、途中で夕ご飯の材料を調達しながら来た道を戻りました。

グリーブの町歩きは、本屋、カフェ、レストラン、オーガニックショップ、ビンテージショップなどが揃っていて、楽しいエリア。

短い間でしたが大満足。旅行でいらっしゃる方でも楽しめそうな場所でしたよ。

 

その日の夕食はサーモンとオーガニックポテトのグリル&野菜とレンズ豆の手作りディナーを。

栄養たっぷりの健康的な夕食、野菜もタップリあって元気がでました。

食後には、早速ナチュロパシーについて体験を。
ナチュロパスが行うテストのひとつ、腸内細菌の様子を調べるインディカンテストのトライアルを行いました。

 

このテストは尿に試薬をまぜ、その反応する色によって腸のコンディションをみていきます。
さてさて、私のコンディションは・・・?
産後ママになってからの食生活から、うすうす気がついてはいましたが、腸内が少々あれている様子。

この検査は直前の食事の影響が検査結果に現れるわけではないので、その人の生活となりが現れます。

ナチュロパシーでは、この検査をもとに食生活のアドバイス、ライフスタイル、そしてハーブの処方などのガイドラインとしても使うこともあるとのこと。

私の場合は消化器系を整えつつ、老廃物の除去などを積極的に行うことをアドバイスされ、その後、それに対応するようなハーブドリンクを頂きました。

 

専門書がズラリ

シドニー初日から、新しい体験がたくさん。
目の前にある専門書が並んでいる本棚を眺めながら、翌日からの出会いをドキドキ、ワクワクしながらベッドに入った1日でした。

 

ナチュロパス「タビサ・マッキントッシュさん」のクリニックへ

2011年9月29日、朝早く起きて、グリーブからセントラル駅へと向かいます。

今日はナチュロパスのTabitha McIntosh(タビサ・マッキントッシュ)さんにお会いすることになっています。

セントラル駅のバス停で乗り換え、ウーラーラ地区へ。

 

バス停においてあったパンフレットをみると、黒字で “WOOLLAHRA” という地区の名前があります。
何と発音すればいいのか迷うスペルですよね。

豪州の地区や地域の名称は、イギリスや英語にちなんでいるものも多いのですが、オーストラリアの先住民であったアボリジニの語源も多いとのこと。
このようにOOとかLLとかスペルの重なっているのは特にそうなのだそう。

さて、ここで、タビサさんのことを少し書きましょう。
タビサさんはナチュロパスとして臨床を積み重ねる一方、カンファレンスやナチュロパスやヘルスケアの専門家向けにレクチャーをしたり、テレビ番組で栄養や自然療法のことを伝えたりなど、幅広い活動をされています。

 

2011年プロのナチュロパス向けのセミナーのレジメ

2011年に行われたナチュロパシー、ニュートリションの専門家向けのセミナーでは、「ケミカルオーバーロード(化学物質の過剰負荷)」――人の成長における有害物質・毒素の負荷について、という内容で講演をされています。

このセミナーに参加されたアンヌさんのお話しによると「医学部を卒業してからナチュロパスになっていることもあり、かなりクリニカル。専門は妊娠から産後のママ、子供のケアですね。セミナーには沢山の専門家が話を聞きに来ていましたよ」とのこと。

出張準備をする中で、タビサさんのことを知り、「お会いしてみたいな」という気持ちが深くなりました。
そして、光栄なことにお会いできるチャンスを頂き、この日、ウーラーラに来たのです。

 

素敵なお店が立ち並ぶ高級住宅街ウーラーラ

このエリアは、パディントンという地区から続くエリアで、シドニーの中で、かなり高級住宅街なのだそう。
バス停から降りて、歩いていると素敵なブティックがたくさん。

まだ時間が早くて閉まっていたけれど、美しいドレスや靴(値段がついていたのをみてビックリ!ゼロがひとつ違っていた!!)、その他、キッチン用品の有名なお店などもありました。

さて、お相手は大変人気のナチュロパスの方、時間に遅れてはいけないと、少し早めにつくように出発しました。
予定通りつきましたが、同行して下さったアンヌさん曰く、「ナチュロパスは時間を区切って働いているし、こちらでは早すぎるのは、あまりよくない、ピッタリぐらいが喜ばれる」とのこと。

ふむふむ、現地の人のルールに従うのが一番。
時間に余裕があったので、アンヌさんオススメのカフェで、カフェオレのテイクアウトを。

 

「Bills」ビル・グレンジャーのカフェ。日本にも鎌倉や横浜、お台場などに進出していますね。地元の人に愛させる人気カフェのようで、朝から沢山のマダムやジェントルマン風な人たちが素敵な朝食をとっていましたよ。
私は豆乳ラテを片手に「タビサさんに、どんなことを聞こうかな?」と、歩きながら、独り言のウォーミングアップを。

間もなくして、タビサさんのクリニックが入っている建物に到着しました。

 

とっても素敵な建物で1Fにはウエディングドレスのショールームがあります。
入口でタビサさんの表札を確認し中に入ります。
暗めのライトに下から光があたり、廊下も素敵でした。

 

下からライティングされている廊下

中からクライアントらしき声が聞こえたので、扉の外で待っていると、少しして、とっても可愛らしい子供が2人、きれいなママに連れられて出てきました。後で聞いた話によると5歳と2歳とのこと。

丁度、コンサルテーションが終わったばかりのようです。その後、ドアからタビサさんが出てきました。

 

クリニックルームにて、ナチュロパスの
タビサ・マッキントッシュさん

「どうぞ、どうぞ入って!おまたせしちゃってゴメンナサイね」
と、優しい声がかかりました。

タビサ・マッキントッシュさんは5歳と3歳のお子さんを持つママさんナチュロパスでもあります。

お部屋の中にはディプロマが掛けてあり、医学、ナチュロパシー、ニュートリション&環境医学などの卒業証、修了証書が飾ってありました。

 

持参したIMSI TIMESをお見せしている様子

まずは、顔を合わせて、自己紹介を。

私は持参したIMSI TIMESをお見せしながらスクールのことを紹介。
TIMESは日本語で制作されていますが、写真がたくさんあるので、外人の方にもイメージがわきやすいようで大活躍です。
それから、タビサさんにインタビューをしました。

タビサさんは、この場所で
・ナチュロパシー
・クリニカル・ニュートリション
・ハーバルメディスン
・ウエルネス・エデュケーション
(詳しくはウエブサイト→ www.awakenyourhealth.com.au )
の、プラクティスを続けています。

メディカルバックグランドがあるということで、ナチュロパシーを最新の科学的リサーチを踏まえて提供するスタイルで行い、GP(ゼネラルプラクティショナー=各地域を担当する医師)やサイコロジスト、鍼師や、カイロプラクターなどの専門家と連携を図り、統合的アプローチも積極的に行っています。

特にフォーカスしている内容は、「Woman’s Health(女性の健康)」で特に妊娠、産後・乳幼児の健康、消化器系、ケミカルミニマイゼーション(化学物質の蓄積の害をおさえること)です。

どのようなクライアントがクリニックを利用しているか伺ってみると、クライアントのうち、Natural Fertility Management(自然なスタイルでの妊娠)を望む人、妊婦さん、子供がメインで、週に15人くらいは訪れているとのこと。

赤ちゃん、乳幼児以外にも、ホルモンバランスを崩しやすいティーンエイジャーも一緒に相談にくることもあるそうです。その他、実際のサービスについても、お話を伺いました。

処方の中身について
・IVFサポート(生殖医療に対するナチュロパシックサポート)は、どのようなポイントで行っているのか?
・自然懐妊を目指して治療しているクライアントにハーバルメディスン、ニュートリションをどのようなタイミングで処方しているのか?
・乳幼児やキッズケアに対する考え方
など。

 

タビサさんの言葉に改めて納得

例えば、子供が風邪をひいた時、意外とママが知らないことに、亜鉛の不足ということがあるの。そういう知っていそうで知らないことをまずは伝えるわね。

でも、すぐに亜鉛のサプリメントをだすのではなくて、子供は、できるだけ自然に身を任せ、まずは食事の内容をみていくことを優先して欲しいと思っているの。日頃取る食事はとっても大切だから。そういうところを大切にママの教育をしていくのね」

「産後のママにいろいろと細かいことを言っても頭に入るわけでもない。なるべくママに優しくて、ストレスがかからないような処方にしているのよ」
との言葉は、ママでもある私も、改めて納得することばかり。

タビサさんなのですが、クリニカルと聞いていたし、化学物質や重金属の過剰負荷のリサーチをされていることもあって、会う前は、私の勝手なイメージの中でメディカル・メディカルしている雰囲気をかもし出している思いきや、意外や意外!ここにきたママさんの誰もが、「へー、そうなの。私も試してみようかな?」と感じてしまいそうな親しみやすい話し方をする方。

なかなか文章では伝わりにくいのですが、ストレスフリーで、ナチュラル、素直な表現を使うのです。

そして、写真だけでなく、実際も大変美しい方で、私も「ナチュロパシーを実践したら、こんなキレイになるのかしら?」なんて、ふと、思ってしまうくらい、素敵なママさんなのです。

さて、そんなタビサさんの、医学の道から自然療法へと道を変えて、今のお仕事をするきっかけになったお話を、この後、聞くことになりました。

 

医学から自然療法の道へ タビサ・マッキントッシュさん

お部屋の中には医学、ナチュロパシー、ニュートリション&環境医学などの卒業証、修了証書が

タビサさんは、医学部を卒業しながら、ナチュロパスの道へ進んでいます。
医学部を卒業しながら、医師にならずに、その他の道へ行く・・・。かけた時間や労力、学費などを考えても、日本でも珍しいことですよね。
もちろん、オーストラリアでも珍しいとのこと。

医師の仕事をしながら、自然療法もいいのではないか? と考え、自然療法のメソッドを取り入れるという医師は、どの国にもいますが・・・。

タビサさんに、そのことを伺ってみると、メディカルスクールの学生時代に、GPで受付やドクターへの紹介の仕事を4年間ぐらいしていたそうなのですが、誰がきても、症状が同じであれば同じような薬が出る毎日。

クライアントとの結びつきが少なく、機械的に人が行き来する繰り返しに、「私がしたいことは、こういうことなのだろうか?」と疑問をもたれたそう。

自問自答しながら、バックパッカーをしながら旅にでること、約一年。その中で改めて人の生について考え、「自然に身をゆだねることや自然の力を感じ、それを大切にしていくようなことをしたい!」と意識されます。

お話の中には、「Nature is doctor」という言葉もでてきました。

タビサさんのクリニックには、歌川広重の絵が飾ってありました。

 

歌川広重の絵が飾ってありました

江戸時代末期の名所、風景を描くのを得意とした絵師で、世界的にも有名な絵師ですが、タビサさんは「大波がくる時はあると思うけれど、どんな時も波にさからわず、自然に身を任せていく」ということを思い出すために、この絵を飾っているのだそうです。

クリニックにおいてあったお茶の缶は和紙でつつまれているものでした。

日本には特別な良いイメージがあるのだそう。
日本人としては、それだけでも、嬉しいですね。

タビサさんからは、その後プライベートの話、今後の展望など将来的なお話を伺いました。
日頃は定期的にリサーチに時間をとり、レクチャーの準備などは育児と並行に行うので、3ヶ月前から準備をしているそうです。

 

50ページ以上のレジメ・・・すごい情報量ですね

2011年に行ったセミナーに用意したレジメは50ページ以上もありましたよ。近い将来には、一緒に活動をしていた産科の先生と共同で、本を出版する準備をしているとか。

プライベートでは育児の時間もしっかりとり、お子さんと一緒にお料理を楽しんだりしながら、子供の成長を温かく見守っているママさんです。

近い将来には、現在の仕事の延長で、専門家向けというよりも、一般のママさんが使えるようなナチュロパシー・ニュートリションブックを作りたいとのこと。

それを物語るように、コンサルテーションデスクには可愛らしいお子さん達のお写真がデスクの上においてありました。

 

デスクの上にあったお子さんのお写真

1時間半と短い時間でしたが、タビサさんのお話を伺えて素敵な時間を過ごしました。

まだ、今回、初めてお会いしたばかり。「とにかく素敵な出逢い。今日をスタートとして、末永く交流しましょう」とお互いに言葉を交わしました。

タビサさん、お忙しいお時間に貴重なインタビューをさせて頂きましてありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています。

帰り際には、タビサさんから頂いたオーストラリアのユーカリプタスなどが使われたオーガニックのハンドソープをもって写真撮影。

 

オーストラリアのユーカリプタスなどが使われたオーガニックのハンドソープをもって写真撮影

実はこのソープ。帰国してから顔に使っているのです(笑)。中の成分をみたら、これは手にはもったいない!なんて思って、肌がしっとりして、とても良いのです。タビサさんが選んだものだからと思って、同じブランドのシャンプーとコンディショナーも買って帰ったのですが、こちらも、ナチュラル系のシャンプーとしては思えない手触り。とっても良かったです。

次はサリーヒルズにあるTONIKA HEALTH・ナチュロパシッククリニックに行く予定です。

途中サンドイッチ屋さんでランチを。私はチキンと野菜・香草のオープンサンドを食べて、腹ごしらえをしました。

 

ナチュロパシークリニックを訪問 TONIKA HEALTH

2011年9月29日シドニーにあるナチュロパシークリニックを訪問しました。

 ここのナチュロパスの方は、ナチュロパシー、ハーバルメディスン、ニュートリションなどのメニューの他にも、リメディアルマッサージやスポーツマッサージも行っていて、一般の方だけでなく、スポーツアスリートへのサポートプログラムがあります。

 

TONIKA HEALTH 看板を見つけて中に入ります

クリニックの場所は、セントラルのすぐ東側、サリーヒルズという地区でガイドブックには、おしゃれなカフェやショップがある人気の地区と書かれています。

WEBサイトからプログラム内容をみてみると、一般的な健康の維持増進の他、
・アスリートのためのサポート
・ガンのためにサポートや、各システムについて
・消化器系の健康サポート、
・筋肉骨格系の健康サポート
・生殖器系の健康サポート

(詳しくはウエブサイト→ www.tonikahealth.com.au
などが紹介されています。

TONIKA HEALTH 看板を見つけて中に入ります

入口にはいってみると、モダンな内装で、白を基調とした明るい色の施設でした。すると、アポイントをとっていた、ダニエラさんが出迎えてくれました。

 

Daniela Osiander(ダニエラ・オシアンダー)さん

Daniela Osiander(ダニエラ・オシアンダー)さんは、ナチュロパス、マッサージセラピスト、スポーツセラピストと3つ顔を持つプロフェッショナル。

オーストラリアは多民族国家で、本当にいろいろな国の人が住んでいることもあって、純粋なオーストラリア人だけの仕事場なんてありえないそうで、私が今回、訪問したプロフェッショナルもオーストラリア以外の国にルーツをもつ人がいるのですが、ダニエラさんも、そのひとり。

彼女自身はドイツの出身。
元ナショナルレベルのアスリートで、陸上競技の100m、200m、400mを専門としていたこともあり、今の仕事でもスポーツアスリートのサポートを得意としています。

以前の仕事ではテレビ会社などで、長い間、世界各国に関係するドキュメンタリーなど、制作の仕事に携わっていたこともあるそうです。

その時の働き方がとても健康的とはいえないような、多忙でストレスの多い現場だったため、現在では、ストレスをテーマにしたプラクティスにも力を入れています。

その他、自然療法カレッジでの講師、地域の団体が運営するホームレスサポートのプログラムでの指導、ワイルドライフ(主として動物)のレスキュープログラムなど、幅広い活動を実践しています。

挨拶のあと、早速クリニックの中を案内してくださいました。

 

入口近くにはコンサルテーションルームが、そして、その隣にはナチュロパシーで処方するハーバルメディスンなどが収まるディスペンサーがあります。

それから、今日使用するセッションルームへ移動し、予約していたナチュロパシックテストについて説明を受けました。

BODY Composition and Cellular Health Analysisといって体組成と身体を構成している、ひとつひとつの細胞とその質をチェックしていきます。

方法は、手を足に電極をつけるだけでシンプルな内容。
抵抗率などから数値化し、5分くらいでテストが終わりました。

 

体組成と身体を構成している、ひとつひとつの細胞とその質をチェック

体重の他、骨量、体脂肪量、結合組織、体内水分量、細胞の水分量のバランス、脱水具合を評価したり、これらの数値をもとに、細胞の働き具合などを見ていきます。

その後にコンサルティングが続き、それに基づき、処方が選ばれていきます。

 

検査結果の数値とデータの一部

この検査は身体の組成だけでなく細胞の健康度合いをみていくのですが、ダニエラさんのお話を聞いてみると、

「こういうテストは科学的であり数値に現れるので、クライアントだけでなく、ナチュロパスにも、臨床での変化をはっきりと示してくれる。特にクライアントのモチベーションを高めるものとして、良いツールになるし、効果が実感しにくいといわれる自然療法では、大切な手法のひとつである。」
と話しています。

 

オーストラリアのボディワーク リメディアルマッサージ

ダニエラさんは、カレッジで実技指導をしていたり、実際にスポーツ選手にトリートメントを行っている臨床家です。

オーストラリアの自然療法というと、ナチュロパシーやハーバルメディスン、ニュートリションのコースが知られていますが、もちろん、ボディワークの教育も沢山あり人気があります。自然療法の系の大学のコースのカリキュラムを見ると、
・Musculoskeletal therapy (筋骨格系セラピー )
・Remedial massage (治療的マッサージ )
・Myofascial Release (筋膜リリース )

その他、トリガーポイント、スウェディシュなどの施術名やテクニック名がよくでてきます。

出張準備をしている時に、頭に浮かんだのは、(イギリスは留学していたから、ボディワークの様子が分かるし、アメリカは冨野先生などからロミロミ、エサレンなどを受けたので、なんとなく雰囲気は分かる。そして、日本は知り合いも多いし、教えてもいるので状況はよく分かる)

そんな考えもあり、メルボルンにあるエンデバーカレッジのスチューデントクリニックも予約しようと試みましたが、今回はタイミングが合わず。

でも、豪州のカレッジで教育歴のある、このダニエラさんの施術予約が取れたのは、とても光栄なことでした。ダニエラさんは、とかく人気者との噂で、訪れた日も、その後、夜まで予約が全てうまっているとのこと。

検査の結果の説明をうけ、日頃のお仕事のお話を伺った後、ダニエラさんとトリートメントの内容を相談しました。面会時間が少なくなってきたため、部位を上半身、背中と肩と決め、「イメージをつかみたいから、基本的なことでもいいので、日頃スポーツ選手に行っているようなテクニックも少し混ぜてくれれば・・・」と声をかけつつ、
「オースラリアのボディワークという意味で、ちょっとイメージ映像を取りたいのだけど・・・」と話すと快く引き受けて下さいました。

ビデオと聞くと構えてしまう方も多いと思うのですが、「大丈夫よ。テレビの仕事も長かったので、撮影には慣れているわよ」とフランクな感じでお返事が帰って来ました。ダニエラさんに、「どんなマッサージをするの?」と伺うと、「私は、リラクセーションのためのマッサージはやらないわ。筋肉をひとつずつ見て、深く、そして、確実に変化が出るような、そして即効性があるアプローチをしているの。ちょっと痛いこともあるかもしれないけど、いい?」という言葉が。

私もリラックス系のマッサージよりは筋肉を感じるテクニックに興味があったので、「そう。そう。それを私も希望しているの。それでお願いします!」と話してイメージのすり合わせをしました。
それから、同行頂いている前田アンヌさんと相談。ビデオを、どのアングルから撮影して欲しいか伝えて、私はベッドにのっかり、準備完了。

ダニエラさんは「えー・・・いつもは、こんなに明るい照明ですることはなくて、もう少し暗くリラックスした環境をつくるけれど・・・今日は・・・そうね。明るくしたままで、いいわねー(笑)では、始めるわね」と話しながらトリートメントがスタートしました。

 

うつぶせに寝た状態で骨や筋肉の様子をチェックした後、施術がおこなわれた

まずは、うつぶせに寝た状態で、私の背中、肩のラインを観察、背骨、肩甲骨、首の骨の位置を確認することからスタートします。

そして、そこにつく筋肉の様子をチェックし、診断していきます。
特に左右のバランスに気をつけて観察しています。 

それから、実際の施術へ。施術には、滑りにくいものが理想的とのこと。

パパイヤのオイントメント(軟膏)を使っていました。ポーポーというオーストラリアのアボリジナル民族が使っている薬草が入っているそうです。

 

パパイヤのオイントメント(軟膏)

最初に必要以上に緊張がみられる右側の肩からアプローチが始まりました。

エステやスパであるような「誰が来ても、誰が行っても同じ」というようなルーティンマッサージでなく、アライメント診断があって、施術が決まるというタイプ。

私自身はマッサージベッドでうつ伏せになっているので、見えるわけではないのだけれど、背中の上でダニエラさんの解説が聞こえてくるだけでも、とてもワクワクしてきました!

そして、「ぐぐぐぅっ、確かにちょっと痛い・・・」
筋肉を見つけられて、ぐいっと引っ張られている感覚がすごくあるのです。

テクニックの例を箇条書きにしてみると、
・筋膜、表面の筋肉をリリースするストローク
・ゆっくり筋肉の繊維をとらえて対処するストローク
・硬くなっている部分をみつけて、そこをプレスすることで緩めるテクニック
・PNFとの組み合わせ

PNFとは筋肉の機能的特徴を利用し、緊張と弛緩をうまく使うことによって筋の質を高めていくメソッド。組織を傷めずに、変化をすぐに出すことが可能です。

このPNFとストロークの組み合わせは、とてもユニーク。

私の肩甲骨のまわりは、あっという間に緩み、可動域がアップ!
肩甲骨が、ぐるぐる動いているのが分かりました。
そして、上がっていた肩もラインも、ストンと下がってリラックスしました。

その後、反対側のトリートメントを行い、左右バランスを整えると、肩が軽いの、なんのって、その違いをはっきりと実感しました。鏡をみてみると、両肩が下がって、首が長く見えたので、痩せたのかと思いましたよ!

施術時間は短かったのですが、だるさもなく、筋肉と骨を徹底的に見ていくテクニックで大満足でした。

「うーん。気持ちいい。いい感じです。」
気になっていた痛みのほうですが、それほど強くはありませんでした。

もちろん、個人差があるかもしれませんが、やみくもに強い圧力をかける施術ではないので、筋繊維のダメージがない。
さすが、多くのアスリートを担当されている方です。

アスリートを担当する時には、背術後、揉み返しがおきたり、筋肉の動きが悪くなったというのでは、通用しません。そのあたりは徹底され、日頃のお仕事が反映されているのだろうな、と感じました。

オーストラリア内のコースでは、このようなボディワークの実技講習も、かなり時間数をかけて指導している様子。

どのように教えているのか? 
テクニックの裏にある理論も含めて、またの機会に、もっと深く知りたいと思いました。

帰国後、皆様にお礼メールをすると一番先に返事がきたのがダニエラさんでした。
一文を紹介します。

It is good to meet such passionate people like yourself. Please continue your great work!
TOUCH FOR WORLD International Week 2011が終わった報告の時も、クリスマスのメールも一番早くお返事くださったのが、ダニエラさん。

私達が行う「自然療法を通じた国際交流」にも興味を頂いて、嬉しい限りです。

ダニエラさんと一緒に

ダニエラさん、お忙しい中ありがとうございました。

 

訪問地域と時期: シドニー 2011年9月

訪問場所と出会った専門家:

Tabitha McIntoshさん

自然療法のクリニック Awaken your health 主宰
ナチュロパシー ニュートリション、ハーバルメディスン、環境医学、 プラクティスでは妊娠期から出産、産後、乳幼児、子供をテーマとしている。
医学部卒。クリニカルなデーターの収集にたけ、ナチュロパスやへルスケア系のプロフェッショナル向けのセミナーなどでスピーカーを務める。体内に蓄積される重金属の影響など環境医学に詳しいナチュロパス。

Daniela Osianderさん

自然療法 ボディワーク系のTONIKA HEALTH主宰
ナチュロパシー、ニュートリション、ハーバルメディスン、ボディワーク(スポーツマッサージ、リメディアルマッサージ) 元ナショナルレベルのアスリートでスポーツアスリートのサポートが得意。特にボディワークに定評があり、自然療法系のカレッジでも実技指導にあたる。ストレスマネジメント、ウェイトコントロール、地域の団体が運営するホームレスサポートのプログラムでの指導、ワイルドライフ(主として動物)のレスキュープログラムなども行う。

 

~スポーツと自然療法、メディカルアストロロジーの専門家を訪ねて~

 

ニュートリションに興味が湧く!

昨年の出張でオーストラリアを訪れて以来、以前にも増して「食べもの」に興味を持つようになりました。

デザートやフルーツにかけるソースを手作りしたり、カレーをルーなしで作ってみたり、息子や夫を待たせながら、「ママー、まだ~?遅いよ!」と言われても、気にしない、気にしない!

「まだよ~!もう少し待ってね~!」とスローな育児をしています。

もちろん、時間がかかりすぎて、「ママ、食べ物ばっかりで、つまんない。遊ぼうよ!」と言われたり、夫の方も健康素材たっぷりのライ麦パンケーキを口に入れながら「うーん・・・美味しいのですが・・・(静かに黙る)」という時もありますので(笑)、まだまだ、改良の余地ありなのですが、これがとても楽しいのです。

この楽しさのきっかけは、昨年の出張で知った、「ニュートリション」という学問との出逢い。

 

ブログにも、グルテンフリーのおかゆや、数々のスパイスや有機野菜、オーガニックカフェでのお料理の様子など、たくさんの写真を載せていますが、オーストラリアの自然療法について知る旅をしながら、また、現地のナチュロパスの生活を垣間見ることで、日頃「食べているもの」について、より深く考えるようになったのです。

 

ニュートリションとは、日本語に訳すと「栄養学」ということができます。
しかし、日本で言う栄養学は、オーストラリアでは、「ダイエット」と「ニュートリション」という厳密には異なる二つの専門が存在するそうです。

その専門家は、それぞれ、“ダイエティシャン”、“ニュートリショニスト”と呼ばれ、自然療法や補完、代替療法の分野に含まれるプロがニュートリショニストとなっています。ならば、オーストラリアの自然療法の専門家たちが行うニュートリションとは、一体、どのような意味が含まれるのでしょう。

“ダイエティシャン”は五大栄養素やその他ビタミン、ミネラルの働きを学び、実際には年齢別、作業例別の必要栄養素量を算出したり、そのガイドラインを基にしながらカロリー計算と共に献立、食事内容を考えるようなことを行うのに対して、ニュートリションを行う“ニュートリショニスト”は栄養について、目の前にいる「ひと・個人」にフォーカスしながら、その人の生活環境、ライフスタイル、体質、既往症などを考慮しつつ、その人にとって必要なものをホリスティックにアプローチしていくことを仕事としています。

学問的には、大部分で共有する内容ですが、栄養価の計算だけでなく、ホリスティックなアプローチのもと、食生活のアドバイス、そしてサプリメントを処方することもあります。

そのサプリメントとは、豪州では一般の薬局では手に入らはいらないライン、ナチュロパスなどの専門家のみが処方できるものがあるそうです。

オーガニックを原料としたり、世界的に見ても品質が良いものが手に入るそうですよ。
羨ましい限りです!
・・・ということで「ニュートリション」という言葉、実際の意味に近い言語としては、個人のための全体的ケア「ホリスティック栄養学」とでもいえばイメージが沸くでしょうか?

オーストラリアにある自然療法のカレッジではニュートリションという科目があり、専門的に学ぶカリキュラムでは、学位取得となるコースも存在しています。

また、先の出張報告で触れていますが、ナチュロパシー(幾つかの自然療法を組み合わせて処方するメソッド)において、ニュートリションは核となるメソッドになっています。
ナチュロパスがニュートリショニストも兼ねていることが多くあるのです。

日本の自然療法の学校では「ニュートリション」という言葉に、あまり深い馴染みがないとは思いますが、豪州の「natural therapy」という枠で活動する人には、ニュートリションを専攻している人が多いのです。

大きな意味では同じ枠の中にいる私達なのに、国や世界が違うと、その普及度が大きく違うのですね。

さて、次にご紹介する方は、オーストラリアのシドニーにある歴史ある自然療法の学校Nature Care Collegeのニュートリション科の主任講師、キラ・サザランド先生です。

 

スポーツ栄養学(ニュートリション)の先生を訪ねて  

この日のシドニーは、とてもよいお天気。

キラ先生は、ナチュロパスですが、スポーツ医学の専門家で「アスリートのサポートを自然療法で行っている先生」と聞いていましたので、アスリートだった経験をもつ私は特に、この日を楽しみにしていたのです。

私自身も、大学での専攻はスポーツ科学、研究室は栄養生化学ゼミナールに所属。卒論はスポーツ栄養・女性アスリートの月経問題をテーマにしていたこともあって、なんとも、親近感を感じる先生なのです。

面会のスケジュール調整の結果、先生のご自宅でインタビューをさせて頂くことになりました。

カレッジでの面会が難しくなったけれど、まさか、初対面で先生のご自宅にご招待頂けるなんて思ってもみなかったので、とても光栄です。

 

ご自宅は、シドニー湾のサーキュラーキーから船にのって1時間くらいの地区、マンリーにあります。

 

マンリーのビーチ

マンリーといえば、ビーチ。
シドニーオリンピックのビーチバレーの会場にもなった場所です。

このエリアはシドニータウンよりもスペースに余裕があるということで、ゆったり暮らしたい人、海が好きな方が住むそうです。

シドニーへも十分通勤圏内とのこと。出発はシドニーサーキュラーキーの3番ターミナルから。

 

マンリー行きのフェリーは黄色と緑の色の船でした。
偶然でしょうが、オーストラリアをイメージする色ですね。

出発をしてすぐに、白い建物が見えてきました。
世界遺産で観光の目玉、オペラハウスです。

 

今回は見学する時間はとれませんでしたが、船の上から、その姿を眺められてラッキーでした。
フェリーでは、同行したシドニー在住のナチュロパス、前田アンヌさん手作りのオーガニックミューズリーを頂きました。

 

前田アンヌさん手作りのオーガニックミューズリー

ナッツの入ったミュズリーに、山羊のヨーグルト、フレッシュパッションフルーツ入り。

栄養素が豊富で、お通じにもよさそうな朝食!
ところで、アンヌさんのお家にお世話になってから、とても身体の調子、そして肌の調子がよいのです。

海外に行くと、たいてい肌が乾燥したり、便秘になったりして肌が荒れてくるのですが、今回は、まったくその気配がなく、とっても不思議!

ハーブをのんだり、良い栄養をとっているからかな?
ミュズリーは大学時代からの大好物。
日本で、あまり流行っていない時期、20年以上前からバクバク食べていたほどです。

フェリーの中、ミュズリーを頂きながら、アンヌさんから話を聞きます。
キラ先生の授業をうけたこともおありなので、その時のキラ先生のご様子や思い出話を伺いました。カレッジではスチューデントクリニックという実際のケースをとるトレーニングがあるのですが、その指導教員(スーパーバイザーと呼ばれる)として、生徒さんにとても人気があったそうなのです。

いろいろお話を伺っていると、あっという間にマンリー港に到着。
マンリー港から、地図を頼りにキラ先生のご自宅を探します。
10分くらい歩いた海に近い、素敵な場所にありました。

キラ先生は、現役の女性アスリートとしてトライアスロンを続けていらっしゃるのですが、海沿いをランニングする人の姿を見ながら、先生にとって、この場所はとても理想的な場所かな?と思ったりしました。

玄関のベルを鳴らすと、キラ先生が素敵な笑顔で出迎えて下さいました。

 

キラ・サザランド先生

身長は177cm!とてもスリムでモデルみたい!

 最初に簡単な自己紹介をしながら、お土産のグリーンティをお渡しすると「あっ、グリーンティ好きよ!ありがとう!丁度なくなっていたの。助かるわー」とウィンク&スマイルで返事が返ってきました。

それから2Fに上がって、先生の書斎でもあり、ナチュロパシーのコンサルテーションにも使う部屋にご案内下さいました。

 

たくさんある専門書が入る本棚の上には、ディプロマが飾られています。

端から眺めて行くと、コンプリメンタリーメディスン(補完医療)の卒業証書が。
そしてその隣に目をむけると、ちょっと見慣れたロゴがついた賞状が目に入りました。

・・・五輪のマーク。
スポーツに興味のない方でも、このマークはご存知の方が多いのではと思います。

2012年はオリンピックイヤー、ロンドン夏季オリンピックもありますね!
こちらは、IOC(国際オリンピック委員会)ディプロマで、タイトルは、「スポーツ ニュートリション」となっています。

キラ先生は、先にお伝えした自然療法のカレッジNature Care Collegeでの指導をしながら、ナチュロパスでニュートリショニスト、そして、その教育に長く携わっていますが、ご自身がアスリートということもあって、臨床ではスポーツ医学、スポーツ ニュートリションを取り入れながら、アスリートのケアも専門としています。

また、一児のママとして育児をしながら、教員、競技生活、講演活動、クライアントケア、そしてクイーンズランドの大学でスポーツに関する臨床データをとったりと、多忙な生活をされているママさんナチュロパス&アスリートでもあるのです。

さて、時は金なり。
簡単な自己紹介&IMSIの紹介の後、早速、キラ先生にインタビューを始めます。

 

キラ・サザランド先生にインタビュー

ニュートリションの基本的なことを聞いても、どのニュートナリショニストに伺っても同じような内容が返ってくるはず・・・キラ先生はATMSオーストラリアの伝統医療協会のカンファレンスなどでもスポーツニュートリション(スポーツ栄養学)のセミナーを依頼されている専門家ですので、スポーツに的をしぼり、特に自然療法における女性アスリートのサポートについてお話を伺うことにしました。

まずは、ナチュロパシーやニュートリショニストとして活動している人は多いと思うが、スポーツアスリートと自然療法の仕事をしている専門家は特殊なのでは?

と問いかけると、
「確かにこれだけ、ナチュロパシーが普及して、ニュートリションが普及して、そして、オーストラリアはスポーツ大国とも言われるけれど、スポーツ選手のサポートをしている専門家は珍しいのよ。いろいろ聞いてね」
と返事がありました。

その後アスリートが体調管理になぜ自然療法を活用しているかを分かりやすくするために、「スポーツアスリートが自然療法を受けにくる、もっと大きな理由は?」との質問をしました。

その応えは、一番には「免疫のシステムの管理と向上」だそうです。
「アスリートは、ハードなトレーニングをする。効果的にパフォーマンスをあげたいが、同時に大切な大会に向かって、うっかり風邪などひいたりしたら結果に大きく響いてしまう。
常に免疫力を高めておかなければならない。

また、トップアスリートになると、レース前後にドーピング検査もありますので、風邪薬とかは、かなり注意して使わないと、検査によって失格になってしまう恐れもあります。

一般の健康的なイメージとはかけ離れているかもしれませんが、意外にもスポーツアスリートは、健康・コンディショニング(体調管理)にストレスが多いのです。」

 

キラ先生の使用するエッセンスやプロダクツ類

キラ先生からは、ケーススタディを交えながら、どのような手法で、行っているのかを教えてもらいました。

・ハーバルメディスン
・ニュートリション
・フラワーエッセンス

などの自然療法を用いて以下のようなアプローチを行います。

・大会前のコンディショニング、筋肉の調子を整える手法
・長期的ゴールにむけた体調管理と栄養指導
・痛みの緩和と疲労回復
・免疫力のサポート
・ホルモンのサポート
・消化器系のサポート
・ストレスやプレッシャー、精神面でのアプローチ

ハーバルメディスン、食事のアドバイス、サプリメントを活用することで、一般的な競技トレーニングでは、補いきれないような部分を積極的にサポートしていく。

心身ともに、ストレスが多いアスリートだからこそ、薬草の力をうまく使うことによって、内臓が活性化したり、解毒のシステムをサポートしたり、筋肉のダメージ、疲労感を積極的に回復できれば、それは、それは、アスリートには心強いことでしょう。

しかし、薬草は野菜ではありませんから、使用方法に注意が必要になります。
一般人が、やみくもに使用しても、効果が出るどころか、かえって、身体に負担をかけてしまうこともあるからです。

ナチュロパスですと、ハーブ同士の組み合わせや、栄養素との組み合わせ、摂取する種類、摂取量、タイミングなど個人の目的に合わせて、初めて安全で効果的な処方ができることになるのです。

これは精油でスポーツアスリートをサポートすることと少し似ています。精油を理解していないと、そして、アロマセラピーを理解していないと、効果が十分に引き出せないだけでなく、同時に危険も伴う、というような・・・

キラ先生には、レース前のコンディションについてもお聞きしました。3週間前、1週間前、トレーニング期など、それぞれアプローチが違うとのこと。

 

アプローチの違いについて語るキラ先生

また、先生から、「女性の場合、貧血や月経の問題もあるから、特にスペシャルケアが必要」という話が出ました。

女性アスリート。
私も自分自身がアスリートであったこと、そして大学時代の専攻がスポーツ栄養学、そして研究が女性の月経周期とコンディショニングであったこともあって「是非聞きたい!」と思っていたので、このタイミングで、どんどん聞いていきました!

その中で、特に興味をもったお話は、月経など女性特有の問題を考える時、一般女性とアスリートの女性ではアプローチが異なるということ。近頃の話をすると、世界的にみても女性の健康、特に月経不順、不妊、PMSなど、女性特有の不調が増えているという現象があります。

これはアスリートの世界でも同じようなのですが、それに対する実際のアプローチとなると、ことに、この生殖器系を考えるときには、処方はかなり別のものになるというのです。

ホルモンの分泌を考慮した処方を行い、一方でホルモンレベルを高めるように、もう一方ではホルモン過剰分泌を意識するアプローチになるということでした。

日本で主流となっている自然療法、例えば、アロマセラピーでは、まず、ホルモンの分泌量を意識し、処方を変えるというようなプラクティスをしにくいかもしれません。

ハーブ療法やニュートリションならではのお話かもしれません。

 

いくつか、よく利用するタイプのものも見せて頂きました

私が競技生活をしていた時代は、「女性は生理がなくなるくらいで丁度いい」とか「女性ホルモンは筋力トレーニングの敵!」というような言葉をコーチが平気で口にしていた時代ですが、今ではむしろ、女性のホルモンを活用したり、上手に付き合うことが大切と言われています。

科学的な研究もありますが、世界的にみられるランニングの流行で、一般人もスポーツと慣れ親しんだりする環境があるのと、競技スポーツを行う女性の年齢が高くなってきているということも関係しているのでしょう。

ここで、私自身の過去の経験を少し話しますと、小学校から水泳を始め、当時は学校が終わってから毎日スイミングプールに通い、帰りは11時くらいになるような生活を大学まで続けたのですが、体調に変化が現れたのは、大学生の時でした。

初めて親元を離れて、食事の管理が上手くいかなくなったことや、その他のストレスもあったのでしょう。
体重が減少し、月経不順に、ホルモンバランスの乱れが続いたことがあります。

その時は、努力しても努力しても結果がでず、スランプに陥った体験があります。
また、お医者さんに「これでは、将来、子供なんて産めなくなるね」と言われたこともありました。

そのまま、なかなかバランスが戻らず、月経に問題があった時期はトータルして7年くらいだったでしょうか?
その後、偶然にして自然療法と出会い、親しんだことで、時をかけて、回復しました。

今では子供に恵まれているわけですが、確かに、スポーツする女性は注意するべきポイントがありますね。
ナチュロパシーを使って、丁寧にコンディションングしていくのは、とても価値がありそう。

 

ハーブ由来のものやフラワーレメディーも使用されていました

競技スポーツはもとより、女性が明るく、元気で美しくスポーツを楽しむためには、こういう自然療法を見方につけていくと、競技力だけでなく、体調面でも大きな期待ができそうですね。

キラ先生は、今では、トップアスリートを管理するAIS(Australian Institute of Sports)のダイエティシャン(栄養士)からもリファー(照会)されて、クライアントが送られてくることもあるのだとか。

先生は自身の行うことを「スポーツ・ナチュロパシー」と呼んでいました。

 

オーストラリア Nature care College の KIRA 先生 

Nature Care Collegeのニュートリション科 主任講師、スポーツ栄養学の専門でもあるナチュロパス、キラ・サザランド先生

キラ先生からお話しを伺いながら「なるほど、自然療法って、奥が深くて、いろいろ使えるのだな~」とか、「ハーブやニュートリションってこんなことができるんだ~」と、視野が広がって目がキラキラ状態に。
インタビューの最後の方に「ママさんでもある、キラ先生は、どんなスケジュールで生活されているのですか?」と伺ってみると、週に2~3日間はカレッジで指導。週に3~10人のクライアントを担当し、週に1回は提携している企業や機関に向けての記事を書く仕事をしているとのこと。

そして、笑いながら「週に2回はママ業専念ね!」と話してくれました。自分自身のトレーニングは週に5回だそうです!

とてもバイタリティがありますね。

 

キラ先生のお子さんのお部屋

コンサルテーションルームを離れて1Fに降りると、お子さんのお部屋が見えました。
お部屋の壁には、大きな色画用紙で作られた、太陽系の惑星が貼ってありました。

 

大きな色画用紙で作られた、太陽系の惑星

お子さんに、宇宙のことも、少しずつ教えているんだとか。
そうそう、追加情報ですが、キラ先生は、実は、アストロロジー(占星学)のコースも教えているのです。
基本的なものから、メディカルアストロロジーなど。
最近ではナチュロパシーと占星学というセミナーも担当、人気があるようです。

私もキラ先生にお会いすることが決まって、いろいろ事前準備しておこうと、一生懸命、占星学の本を読んだりしましたっけ。
星座もおもしろいですね!

おかげで、星、ハウス、アスペクトなど、今まで知らなかったこと知るきっかけとなったのです。
仕事がモチベーションのスタートと言え、アストロロジーも楽しそうな学問と感じましたよ。

先生に「スポーツしている人は、現実を意識することが多いはずなのに、なぜアストロロジーを?」と伺ってみると、「今の時代のナチュロパシーはEBM(エビデンス ベースのメディスン)中心で評価が高くなる傾向があるけれど、私は、それだけではもの足りないと思うの。ずいぶん前だけど、私が、ナチュロパシーを学んだときには、ホリスティックとか、人をみる、ということを、深く学んだわ。その時、感じたのは、『中国には五行説、インドにはアーユルベーダーなど、アジアには、哲学のようなものがあるけど、でも、どうして、西洋の私達にはないのかしら?』って思ったのね」

「それで、私もそういうのを取り入れようと、欧米について調べてみたの。『何か私達には、ないかしら?』って。そうしたら、占星学にたどりついたの。 西洋医学の前は、星をみながら、人を癒してきた時代があったから。だから、私はコンサルテーションをするときには、EBMベースだけではなくて、人のもつエネルギーというものを意識したいし、取り入れるのが好きなのよ。」と話してくれました。

 

デスク上にあったボード

先生のデスク上にあったボード。
お子さんの描いた絵やヒーリング系のシンボルがたくさん貼ってあるのを思い出しました。

キラ先生のお気に入りのものを貼っているのだそうです。
「あんまり、こんな人は、いないかしらね(笑)」
と言いながら・・・スポーツ科学、スポーツ栄養、スポーツ選手、そして現代ナチュロパシーという枠から、ちょっぴり想像できないような、エッセンスをもったキラ先生、自然療法のホリスティックの部分を大切にされているのだな、と感じました。

一緒に同行して下さった、シドニー在住ナチュロパス、前田アンヌさんに聞くところによると、カレッジでも、先生は学生から人気があるそうです。

生徒指導について、EBM、科学的ではあるけれど、ホリスティックな部分を丁寧に教育するスタイルだそうで・・・そして、それは、臨床でもそうとのこと。事前準備の際、「嵯峨さん、もし、ナチュロパスのセッション受けてみるなら、キラ先生から受けてみるのも良いですよ」と、聞いたことや、自分の今までの道とも重なっているキラ先生だからこそ、キラ先生から、ナチュロパシーコンサルテーション受けてみたいなとも思ってもいました。

事前のメールでは、インタビューと、もし時間があったら、コンサルテーションを受けてみたいとも話していましたが、実際にお会いしてお話を伺ってみると、やはり時間的に、両方は難しかった・・・。

今回は初対面ですので、まずは、私やIMSIのことも知ってもらいたいとの思いで、「次回へ、楽しみをとっておきましょう!」ということになりました。

 

先生のご自宅のキッチン。お庭には、巨大なトランポリンが置いてありました

キラ先生、お忙しい中、ありががとうございました。

レクチャーの見学やセッションなど、またの機会があったら、是非宜しくお願い致します!

キラ先生の家を後にして、マンリービーチを通りながら、市内へ歩くことに。
シドニーオリンピックのビーチバレーの会場となったビーチに飛びおりました(笑)

 

シドニーオリンピックのビーチバレーの会場となったビーチにて

砂をつかんでみると、太陽の光を浴びて、とても温かい!

気がつけば、ランチタイム。
お腹も空いています。

同行したアンヌさんは、オーガニックカフェの博士かと思うほど、いろいろなお店を知っていらして、ありがたく、とびきりのオーガニック・ランチを頂きました。

 

前田アンヌさんに連れて行っていただいたオーガニックカフェ「オーガニクス」

私が選んだサラダは、ビートルートとキヌアのサラダ。ハーフ&ハーフで! グルテンフリーのメニューです。

 

ビートルートとキヌアのサラダ

アンヌさんから紹介されるレストランやカフェは何処へ行っても美味しくて、健康的。
オーガニックのお店でも、日本には、なかなかなさそうな所を選んで下さいます(感謝)。

 

すっかり気を良くした私は、グルテンフリー、アーモンドパウダーを使ったオレンジのケーキを注文。甘さ控えめで、原料はオーガニックのもの。
そして、味も大変美味しかったです。

マンリーのカフェ「オーガニクス」、自然療法や食べ物を意識している人には、特におススメのカフェです。

 

訪問地域 シドニー近郊 マンリー地区

訪問場所と専門家

Kira Sutherland さん

シドニーにある自然療法の学校 Nature Care College ニュートリション科 主任講師
ナチュロパシー ニュートリション、スポーツ・ニュートリション
ハーバルメディスン、フラワーエッセンス、アストロロジーと自然療法。

自然療法を用いたスポーツアスリートのサポートが専門。女性アスリートへも細かな対応をしながらプラクティスをすることで名高い。一児の母として育児をする傍ら、学校での指導、ナチュロパシー、ニュートリションにおける臨床データの積み重ねをしている。現役トライアスロンアスリート。
ネイチャーケアカレッジ Nature Care College
キラさんのHP uberhealth Kira Sutherland

 

~Natural Fertility Management 自然懐妊マネジメントの専門家~

オーストラリアの自然療法 「不妊」「懐妊」「妊娠」「産後」

前回までのコラムで、「自然療法で国際交流を!世界の自然療法の様子を日本に伝えていこう」
というIMSIチームの目標のもと
「今度はオーストラリアに目をむけてみよう!」
となったこと、そして、サブテーマとして「女性と子供のための自然療法」を見つけていこう、というお話を書きました。

さて、オーストラリア開拓をすることとなった私が、調査をし始めて、初期の頃に分かったこと。それは「オーストラリアには、ナチュロパシーという自然療法で、不妊をサポートプログラムがあり、それが熱心に行なわれ、海外からも注目されている」ということでした。

このプログラム名では、ネガティブな要素を意識したり、病名と感じられる「不妊(infertility)」という言葉を用いず「Natural Fertility Management(自然懐妊マネジメント)」という表現が使われています。
「自然懐妊・・・?」
聞きなれない言葉に、どんなことをするのかな? という疑問が。
調べてみると、妊娠というテーマに対して、環境汚染、食生活、ストレス、既往・体質など、一人ひとりに関るコンディションをみていきながら、より「ナチュラル(自然)」なスタイルで妊娠までの道のりをサポートしていく、というプログラムであることが分かりました。

プログラムの内容をのぞいてみると、
・質の良い卵子を作る?
・まずは、身体の中を解毒する??
・妊娠前の理想的なコンディションづくりに、4ヶ月???
・男性も一緒に行うの????
・体外受精や高度先進医療をナチュロパシーでサポートする?????
・・・というような、言葉が次々と出てきます。
ナチュロパシーって、こんなこともするの?

豪州では自然療法として、これが普通に行われているの?
日本には、「ナチュロパシー」という言葉や手法に馴染みがないので、とっても驚くと同時に様々な疑問が沸いてきます。

これらを「自然な方法で導いていく」というシステムですが、更に内容を見てみると、心理的ストレスにとどまらず、重金属の影響や 、食品添加物など「環境と妊娠」「環境と胎児」「環境と子供」といった研究が、その裏づけとなっている様子が伺えました。

それを知って、「むむむ・・・すごいなぁ・・・! しかも、健康に対する考え方が細かいなぁ!!」と感じつつ
「オーストラリアはオーガニックの基準は世界一厳しい国だというし、環境に対する意識も高い国というし、こういう現象が、自然療法の世界にも影響しているのかな?」
などとも思いました。

この「不妊」というテーマについては、IMSIでもフェイシャルリフレクソロジーの講習会で取りあげたこともありますが、オーストラリアで不妊、とりわけ自然懐妊というプログラムが世界的にみても普及していることに興味を持ちました。

同時に、このテーマを考えたとき、自分自身の中に気になることもありました。

(何事もOPENにせず、隠したり、内緒にしたりと、「閉鎖社会」とも言われる日本では、このようなプログラムはどのように捉えられるだろう? 例え情報を得たとしても、受け入れられるかな・・・? 食品添加物・・・日本は、あまり知られていなけれど、かくれ添加物大国。一般にあまり知られてないので人々の認識も違うし・・・こりゃぁ。食品会社を敵に回すかもしれないのでは??? そうだったらマズイことになってもいけないな・・・。)

こんなことも頭に浮かびました。
そのため、ディレクターも含めて、日頃、共に働くIMSIスタッフにも報告・相談をしてみたのです。

 

そのため、ディレクターも含めて、日頃、共に働くIMSIスタッフにも報告・相談をしてみたのです。
すると、「不妊というテーマは確かに、表に出ていない部分もある。しかし、日本でも女性特有の問題や、なかなか妊娠しない、とか、不妊という問題が増えているのは事実。デリケートな問題でもあるから難しいとは思うけれど、自然療法に関するプログラムがあるならば、そういうものこそ取り上げて、情報を得たい方のために、提供する機会をつくること、それも大切なことなのでは?」という言葉があがりました。

私の中で、「簡単なテーマではない。自分自身は、不妊に苦しんだわけでもない。でも、知りたい人がいるかもしれない・・・ならば、チャレンジしてみよう!」という考えが浮かびました。

その後は、仕事が終わってから英語のサイトを読んだり、検索したり、日本語の本を読んだり、出来る範囲でいろいろなことを始めました。
そして、オーストラリア国内でも高い評価を受けている専門家へのコンタクトをとりはじめたのです。

・・・・
そうしたところ、最初に関門が・・・!

コンタクト先に何回かメールをしても、また、待てども待てども「返事がこない」のです。
(おかしいなぁ・・・。文章は国際部の絢子ちゃんに助けてもらった英語だから、英語が変、ということはないはずだし・・・)と思いながら、外国人は、ビジネスメールでも短め、要点だけを書くと言われていますが、日本人的には「せめて、短く“読みました”だけでもいいから返事をしてくれてもいいと思うんだけどなー!」という感じで、現地のナチュロパスである前田アンヌさんに意見を伺ってみました。

すると、前田さんが「相手にとっては、用件の内容の日時が、ずいぶん先過ぎて、『そんな先のこと分からないよ!』という感じかも知れませんね。
オーストラリアは日本と比べて、とてもスローなのですよ。決まる時は早いのですがね。
メールだと見ない人もいるし、いつまで経っても返事がこないかもしれませんから、電話してみましょうか?」

 

「それから、豪州では“リファーラル”といって、“○○さんからの紹介”というのもが、結構大切なのですよ」と教えて下さいました。
なるほど、専門家同士の紹介というのが大切な国なのですね。

そこで、前田さんにリファーラルをお願いすることにしたのです。
それから時は過ぎ、幸運なことに自然懐妊で著名なナチュロパス「Sydney health & fertility」のメラニー・コーマンさんからお返事がきたのです。

メラニーさんに電話をかけて下さったり、先に、このコラムで紹介したキラ先生からもリファーラルを取り付けて下さった前田さんも、この返事には驚かれ、「おおっ!嵯峨さん、メラニーさんから返事がきましたよ!これは凄い!幸運ですね!何せ、メラニー・コーマンといえば、自然懐妊のナチュロパスでとにかく有名なのですよ。小さな子供もいるし、自分自身のクリニックも持っているから、多忙なはず・・・」

「これは、チャンスです。よし、早めに、スケジュールをフィックスしてしまいましょう!」とのことでした。
現地在住のプロフェッショナルのご協力あり、形になった面会。
その国には、その国のルールがある。
ルールにのっとっての自然療法での国際交流。

こんなスタイルも楽しいではありませんか?
前田アンヌさんと知り合えたことも大きなことでしょう。

きっかけは、IMSIがリーダとなって2010年に開催したIFPAアロマセラピスト・カンファレンス ジャパンでした。
IMSIが作り出す活動の中で、また、自然療法を通じていろいろな世界の人と知り合える、とても素敵な職場に感謝した体験でもありました。

オーストラリアのリファーラルシステムを取り入れながら、無事、「不妊」というテーマへと進んでいきます。
そして、メラニーさんに会う日が来るのです。

 

不妊・自然懐妊 Sydney Health & Fertilityのメラニー・コーマンさん

先生のクリニックは、マンリーにあります。

先のコラムで紹介したスポーツニュートリション&ナチュロパシーの先生、キラ先生のご自宅と同じ地域にあります。
面会の日の朝、シドニーのサーキュラーキーから再び、フェリーにのって、マンリーまで移動です。

 

フェリーにのって、マンリーまで移動

港から歩いて10分くらいのところにクリニックを見つけました。すぐ近くに海が見える静かな場所にあります。入口には、赤とベージュのロゴの入った看板が壁にかかっていました。

 

海が見える静かな場所にクリニックがあります

玄関のブザーを押すと、メラニーさんが、出迎えて下さいました。

 

クリニックのコンサルテーションルームの棚

あわわわっ。とっても・・・背が高い。そして、とてもスリム!!!
その身長とスタイルを私と比較すると、ほら、この通り!

 

すごい身長差!

ちなみに、私の身長163cmくらいです。そんなに小さい方ではないと思いますが・・・。
それから、クリニックのコンサルテーションルームへ案内して下さいました。
お部屋にはいくつかのディプロマが飾ってあります。

 

いくつかのディプロマが飾ってあります

メラニー・コーマン(Melanie Koeman)さんは、Natural Fertility Management 自然懐妊 (ナチュロパシーを取り入れた懐妊サポート)のプログラムを専門にしてから15年以上になる専門家です。

この道のナチュロパスとして、非常に名の知れた方なのです。

オーストラリアではナチュロパスという自然療法の専門家がいますが、その中で「私は、ナチュロパスです。専門は●●です」という表現をする人は多いけれど「私は、自然懐妊の専門のナチュロパスです」というように、タイトルに専門を、クリニックの名前に専門科目を表現することはその活動に相当の経験がないと、そして周りからも評価が高くないとそうはできないし、そういう人は、自然懐妊というテーマに限らず、非常に少ない、とのこと。

メラニーさんのプログラムときめ細やかな手法により、メラニーさんの噂を聞きつけては、ここを訪れる女性、そして、カップルの数はとても多いと聞きます。

早速、貴重な時間を頂いて、お話を伺います。
この日、メラニーさんへお話を伺える時間は1時間。
今回の出張でお会いした方の中で、最も少ない時間です!

アポイントがとれた時間は朝の8時半から9時半まで。その後、ずっとクライアントの予約が入っているとのこと。
このタイトなスケジュールの中でもお会できる時間を作って下さったことに感謝です。

まずは、IMSIのことも、私のことも、ほとんど知らないメラニーさんに自己紹介を。

 

IMSIや私についての自己紹介

ゆったり会話で親睦を深めている時間はないので、私の特技である体育会系・ボディランゲージを使って短時間でメッセージを伝えました!

それから、お話を伺います。
ここで、クリニックのことを紹介しましょう。

メラニーさんがディレクターを務めるSydney health & fertilityには、以下のようなプログラムがあります。
・Natural Fertility Management (自然懐妊マネジメント)
・IVF Support (IVF体外受精など不妊治療を行う女性へのサポート)
・Pregnancy care (妊産婦ケア)
・Doula Support (ドゥーラ、出産前後の女性をサポートする専門家のサポート)

この他にも

・Thyroid & General Hormonal Balancing(甲状腺や一般的なホルモンのバランスを整える)
・PCOS Insulin Resistance Treatment(多嚢胞性卵巣とインスリン抵抗性トリートメント)
・Children's Health(子供の健康)

これらのプログラムを自然療法、ハーバルメディスン、ニュートリションメディスンを取り入れながら、行われています。
また、このクリニックにはメラニーさんの他にも、3人の専門家がいて、ナチュロパシーの他、

・リメディアルマッサージ
・妊産婦へのマッサージ
・アロマセラピー
・レイキ

などのメニューも必要に応じて提供されています。

たくさんのクライアントを担当してきているメラニーさんですが、実際には、どのようなクライアントが主に来院しているのか、詳しく伺ってみました。
自然懐妊が専門と、一口で言ってもいろいろなタイプの方がやってきます。

大きく分けると、このようにもなるとのこと。

・よりNaturalなスタイルでの妊娠を考えたい人。(妊娠をこれから予定している人)
・なかなか妊娠しない人(妊娠を望んで6か月くらい経過)
・上記の該当者で、医者には、ホルモン療法や体外受精など西洋医学的治療を勧められているが、決断はできず、 同時に、自然懐妊の専門家、ナチュロパスからもアドバイスを聞いて考えたい人。
・IVF(生殖医療・体外受精)を行っている人。
・IVFトリートメントを何度もしているが、妊娠せず、絶望的な気持ちになっている人。

それから、実際のアプローチについて、特にメラニーさんが意識していることを伺いました。

 

実際のアプローチで意識していることについて話してくださいました

それには4つのアスペクトがあるそうです。

Clean up:身体の中キレイにすること
Build up:身体づくり
Check up:ナチュロパシー的検査や、月経周期、GP、地域かかりつけ医に紹介してのホルモンレベルチェックなど。
Balance:個人に合わせた自然療法の処方

それぞれについて、お話をして下さいました。それから、実際に使用するハーブがあるディスペンサーの見学をしました。

私はナチュロパスではないので気づきませんでしたが、同行した現地在住ナチュロパスの前田アンヌさんが、ハーバルティンクチャーが並んでいる棚をみて、「これは、すごいですよ!瓶の並べ方が効果、種類によって、ものすごくキッチリ並んでいる。いつでも迷うことなく、クライアントにベストなものが出せるような並べ方になっている。ナチュロパシーでは処方に必要なグッズがたくさんあるものですから、並べ方というのは、意外に難しいものなのです。この並べ方は、仕事をキッチリ、そして同時に、ものすごく丁寧に細やかな視点ですることが分かります。いやーすごい!とても尊敬します!!」

・・・と前田さんの独り言なのか、私に話したのか、分からないような口調で教えて下さいました。

 

処方に必要なグッズ

インタビュー時間の最後、メラニーさんにはこんな質問もしてみました。
「実際、不妊という問題は、原因が複雑だったり、心身共に負担が大きくデリケートな問題とも考えられるが、この仕事をしていて、特にチャレンジと感じることは?」

すると、メラニーさんは静かに答えました。
「不妊、自然懐妊、ここには、もともと妊娠しにくい人が集まってくるし、年齢的にも高めの人も多い。自然懐妊といっても、『はい、これを飲めばすぐに懐妊!』みたいなことでもない。長い間生活習慣を変えたり、その他いろいろナチュラルな方法を試し、もちろん西洋医学も全て試して、それでも、本当に長い年月をかけても、妊娠しない人もいる。こういう現実があるクライアントの気持ちも含めて、この事実を一緒に受け止める必要がある時がある」

それから、少し間を空けて、「でもね。やっぱり、このプログラムの素晴らしいことは、例え望まない結果に終わったクライアントにも、そのときには、次の人生に向かって前向きに進めるだけの身体、気力が備わっているわ。クライアントは、ナチュロパスからアドバイスもらいながら、自然の力を利用しながら体質を改善、生活を改善することで、確実により健康に導かれるし、何よりも、いつでも相談できるナチュロパスがいることでメンタル面のサポートにもなっている。西洋医学のみの不妊治療を何度も行って、何回も失敗して、絶望的になって終わるというケースとは違って“私は、これだけのことをやったのだから”という達成感をもつことができる。妊娠を望んでいるのに妊娠しないということは、本当に辛いことだけれど、さぁ、次に行こうという気持ちや、その時の健康レベルは、このプログラムを行った人と、そうでない人の差はとても大きいものがあるのよ。」と付け加えて下さいました。

短い時間でしたが、先生のWEBサイトには書いていないような、メラニーさんからのお話、
直接お会いすることならではの、貴重な体験だったと思います。
間もなくして朝の9時半に。

 

直接お会いすることができ貴重な体験でした

最後に、メラニーさんが、シドニー大学でレクチャーした時のパワーポイントのレジメを拝見させて頂きました。
メラニーさんはナチュロパス向けだけでなく、一般の方向けのレクチャーもしていらっしゃいます。

 

シドニー大学でレクチャーした時のパワーポイントのレジメ

それから、すぐに女性のクライアントがお見えになりました。
フレンドリー、そして丁寧に何でも相談できるといった雰囲気のメラニーさんのナチュロパス姿、1~2分でしたが、空気で感じました。

メラニーさん、大変貴重な時間をありがとうございました!
また、お会いできる日を楽しみにしています。

メラニーさんのクリニックの門をでて、前田さんは、ボーッと一点を見つめて、「メラニーさん。初めて会いましたが、本当に評判が良いだけのことが分かる人でした。いつか、日本の専門家の皆さんもメラニーさんに会って、インスピレーションをもらうと良いのではないでしょうか?」と話していました。

前田さんは、日本においても長く自然療法の講師としてナチュロパシーのセミナーを続けているだけでなく、現在でも、シアーバターを通じた女性の自立支援活動をサポートする「マザーアース」さん(東京にオフィスがあります)でお仕事をされていることもあって、日本のセラピストの状況をよくご存知の方です。

前田さんの沈黙とコメント。

私にとって、ナチュロパシーに出会うのは、この出張が初めてで、ただ、ただ、オーストラリアの状況をすごいなー!面白いな!と感じていたのですが、現地のナチュロパスがたった一度会っただけで、すごい印象をもつのですから、メラニーさんがとても尊敬できるプラクショナーであるということ、

それが、前田さんと並んで歩くことで、強く伝わってきました。

 

訪問地域 シドニー、オーストラリア

訪問したクリニック:

Sydney Health & Fertility http://www.fertilityhealth.com.au/

ナチュロパシッククリニック、女性の健康と懐妊に専門性をおいた自然療法のクリニック。
自然懐妊プログラムから妊娠、産後、女性の生殖器系のサポートをハーブ療法、栄養療法、ボディワークなどの自然療法を組み合わせて処方している。

訪問したスペシャリスト:

Melanie Koeman メラニー・コーマンさん

Sydney Health & Fertilityディレクター
ナチュロパス、ニュートリショニスト、自然懐妊スペシャリスト。
毎日の診察、コンサルテーションの他、シドニー大学やNature Care Collegeにてナチュロパシー(ハーブ療法やニュートリション、栄養療法を組み合わせる処方)の指導を行っている、自然療法による、リプロダクティブシステム(生殖器系)の専門家。 ドゥーラ。

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