SEMINARS & EVENTS

●キャロル・アン・エリックソン氏来日セミナー開催報告●
~心と身体に働きかける「動きのパターン」とは~
2019年 (IMSI副学院長 嵯峨慈子)

身体の動きの発達が私たちの学習や運動、ライフスキル(生きる力)に深くかかわっているのをご存知でしょうか?

今回のセミナーでは、「動きの探索」創始者であるキャロル・アン・エリックソン氏が、感情・思考・行動の発達につながる乳幼児期の反射や「動きのパターン」について説明し、また、シンプルな「動きのワーク」を通じて、脳と身体を刺激し、神経的つながりを深めていく方法が紹介されました。

日時:2019年4月27日(土)10:00-18:00
会場:大田区産業プラザ(PiO)3F特別会議室

参加された方は、医師、看護師、助産師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、臨床心理士、乳幼児指導、幼稚園教諭、保育士、教師、運動指導士、パーソナルトレーナー、スポーツコーチ、セラピストなど、健康、医療、運動系で活動されている方が多かったようです。

内容をレポートします。

 

【午前:レクチャー】

・本能的で自然な発達、原始反射の説明
・原始反射や動きのパターンの成熟時期と期間と必要性

 

【午後(レクチャー、デモンストレーション、実技、質疑応答)】

・原始反射についての質疑応答
・「動きのパターン」の説明
・8歳のお子様へのデモンストレーション

実技

・リズムと協調について、遊びを使って(風船・紙皿)
・脳と身体の左右性、身体感覚についての自己認識ワーク
・質疑応答

が行われました。

キャロル アン先生が行った小学生向けのデモンストレーションをみて、すぐにレッスンに提供して、子どもたちに変化があったご感想も寄せてくださいました。

ひとつ紹介したいと思います。(スポーツ指導者)

「以前から嵯峨先生のワークでアドバイスいただいたものに今回のをプラスして、試してみました。ジャンプのワーク。やはり、以前からワークを継続しているクラスの子供は、変化が早く、動きの改善も早かったです。特に今、力を入れているジャンプ時の頭から尾骨までの姿勢の安定、美しさ、高さ、軽さが出ました。

小さな子供も、ジャンプ回転の時に、今まで目をつぶって頭が下がって倒れてしまう子が、数回のワークで真っ直ぐ回って立っていられました。

風船のワークも紙皿もやってみて、子供たちのいろいろな反応が参考になりました。
恐らく代償行為でカバーしたり、ストレスをかけている動きは色々あるようですね。
ラクに身体を動きの習得をサポートするために、もっと知りたい、活用したいと改めて思いました」

4月のセミナーでは尊敬するキャロル・アン先生をご紹介する機会を頂戴し、多くの方にご参加いただきました。
セミナーの運営にご協力いただきました会場関係の方、通訳、スクールの同僚にも深い感謝をしております。

今回はたった1日でしたが、その時の出会いや学びが、現在や未来に役立つことを祈りつつ、このようなテーマに関心がある方と、相互交流していく場につながっていったら嬉しく思います。
ご参加、ありがとうございました。

【自立と成長で、人生を豊かに導くキャロル・アン先生の教え】

キャロル・アン先生は学校教師、スポーツコーチのご経験があり、教育キネシオロジーの創始者であるポール デニッソン氏に出会い、その手法と考え方に感銘を受け、ご自身の仕事にブレインジムを取り入れたのだそうです。今から、30年くらい前のお話です。

私自身はブレインジムを学んだことがきかっけでキャロル・アン先生と出会いました。ブレインジムの国際組織の中で、最も「動きに対する理解が深い」という定評のある先生で、それをさらに深めたいと思っていた私にはとても嬉しい出逢いでした。

キャロル・アン先生は動きに対する発達教育的アプローチがご専門ですが、先生が日頃伝えているメッセージは「自ら創造性と独自性を発揮し、様々な環境の中で、指導者への依存に片寄らず、教師・指導者が依存関係のみで教育することなく、子供たち、選手らが、自らの力を信じて、元気に成長していく」ということです。

私はクライアントとメニューを相談するときに、特に先生からの、このメッセージを大切にしています。先生に出会うまでは、課題や弱点改善のために、何をしたらよいかということを対処法という視点でやってきたと思います。それは自分自身が、学生の頃に困り、解決方法を模索してきたときの方法でもあります。

例えば、ジャンプができないなら、ジャンプの要素はなに?
スキップができなくてこまっていたら、その必要要素はなに? 

というように、必要な要素に対して、それをメニューに落とし込んで、繰り返すといいうことをしてきました。この方法は、当然ながら結果をもたらしますが、積極的な学習、将来にわたる感情面での成長においては、同時に制限や限界があることも感じていました。

現在は、弱点や課題に対応することはしていますが、その方法やアイデアが異なっています。

それをどのように課題として扱い、どのような形ならば、メンタル面と行動が調和し、よりスムーズな成長を後押しするか、という点で手法の意味を考え、いくつかのアイデアをメニューの候補にして、どのように提供するかということに時間をさいています。

このように意識し始めてから、キャロル・アン先生には、これまでにたくさんのアドバイスや経験談を教えていただきました。

その流れのなかで、昔、自分が出会いたいと思っていたような指導者や教育者に出会い、また、素敵だなと感じるカウンセラー、医療従事者の方、保護者の方とも自然に出会うようになっていきました。

そういう環境では手法やアプローチが進化し、自然にアイデアも生まれ、以前であれば難しいと感じることにも、ラクにチャレンジするようになっていきます。
そうして成果もでて、共によろこび、今度はそれが自然に別の対象にも波及し、還元されるようになり、この循環を私は心地よく思っています。

これらはキャロル・アン先生からだけの教えだけではなく、もちろん10代の頃からお世話になった運動や健康についての先生方、友人、家族、仕事の仲間との間で経験し学んだことが大きな土台になっています。

このような素晴らしい体験を与えてくれたすべての人たちに感謝し、今後もメッセージやワークを通して、行動を進化させて、必要な方に「よき体験となる」時間をつくっていきたいと思っています。

今後もいろいろ人生の学びを続け、受けとること、与え、伝えることの自然な循環をつくっていけるよう努力していきたいと思います。

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